東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて続伸となりました。日経平均は158円高の27,653円でスタートすると寄り付きを安値に上げ幅を広げ10時40分過ぎに323円高の27,817円まで上昇し269円高の27,763円で前場を終えました。

250円高の27,744円でスタートした後場の日経平均は27,700円台で小動きになると結局237円高の27,732円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

昨日の米国市場でエヌビディア(NVDA)やアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が大幅高となり、主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が2%を超す上昇となったことから日本市場でも半導体関連株が買われました。なかでもレーザーテック(6920)が6.6%高となったほか、SCREENホールディングス(7735)が3.6%高、SUMCO(3436)も3.9%高となっています。

また、新型コロナウイルスワクチン普及への期待から昨日の米国市場で空運株が買われた流れを受けて日本航空(9201)やANAホールディングス(9202)が高く、日本航空が3.5%高、ANAホールディングスが2.9%高となっています。旅行関連株も高くエアトリ(6191)が7.2%高、オープンドア(3926)が8.9%高、HIS(9603)も6.0%高となりました。ヤマハ(7951)も保有しているヤマハ発動機(7272)の株式のうち1900万株を売却し、売却で得た資金を使って発行済み株式の3.4%にあたる600万株、総額280億円を上限とする自社株買いを実施すると発表したことで4.4%高となっています。

一方で昭和電工(4004)が9.6%安となりました。公募増資などで最大で1093億円を調達すると発表したことで需給悪化や株式価値の希薄化を懸念した売りが膨らみました。しまむら(8227)も一時3.5%安となりました。雨や気温の低い日が多かったことに加え、新型コロナウイルスの感染急拡大による外出自粛の影響でアウターや夏物の売れ行きが振るわなかったことで8月の既存店売上高が前年同月比5.7%減となったことが嫌気されました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は237円高となりました。昨日の米国市場がファイザー(PFE)と独ビオンテック(BNTX)が共同開発した新型コロナウイルスワクチンが正式承認されたことでワクチン普及への期待が高まり続伸となり、ナスダック総合株価指数が史上最高値を更新したことから買いが優勢となりました。

節目の27,500円を大きく上回り、25日移動平均線(27,664円)も回復したことで下値への警戒感が後退しそうで、日経平均が節目の27,000円近辺まで、そしてTOPIXが200日移動平均線近辺でまで先週末に下げた後、昨日、本日と2日続けて切り返す展開となっていることから調整一巡への期待が一段と高まりそうです。なお、日本時間の23時には7月の米新築住宅販売件数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)