【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,447.14  ▼152.68 (6/9)
NASDAQ: 13,911.75  ▼13.16 (6/9)

1.概況

米国市場は高値を警戒した売りに押され下落となりました。26ドル高でスタートしたダウ平均は昼前に54ドル高まで上昇しましたが、上値が重くマイナスに転じると米消費者物価指数(CPI)の発表を控えて持ち高調整の売りも出て引けにかけて下げ幅を広げ結局152ドル安の34,447ドルで取引を終え3日続落となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も13ポイント安の13,911ポイントとなり4日ぶりに反落となっています。

2.経済指標等

4月の米卸売在庫は前月比0.8%増となり市場予想と一致しました。また、卸売売上高も前月比0.8%増となっています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち金融や資本財・サービス、素材などの7業種が下げ、金融と資本財・サービスが1%以上下落しました。一方でヘルスケアや公益事業などの4業種が上げ、ヘルスケアは1%高となっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では開発中の新型コロナウイルス治療薬で米政府と購入契約で合意したと発表したメルク(MRK)が2%を超える上昇となったほか、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)とアムジェン(AMGN)、IBM(IBM)も1%以上上げました。一方でキャタピラー(CAT)が2%を上回る下げとなり、ボーイング(BA)も2%近く下落しました。ダウ平均構成銘柄以外では、決算が市場予想を下回ったことで食品大手のキャンベル・スープ(CPB)が6%を超える下落となりました。衛星テレビのディッシュ・ネットワーク(DISH)も投資判断の引き下げを受けて7%以上下げています。メディアのフォックス(FOXA)は投資判断の引き上げを受けて3%近く上げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.04%低い1.49%となりました。ドル円は109円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて軟調なスタートが予想されます。今晩に米CPIの発表を控えて様子見となりやすいなかで日経平均が下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)