早いもので今日からすでに受け渡しベースでは12月相場入りである。日経平均は2万6000円台後半まで上昇し、ピッチの速さから調整必至との声がある一方、朝方は売りに押されてもすぐにプラス転換するなど押し目買い意欲の旺盛さが顕著になっている。売り方が買い戻しを迫られる展開が続いているので、少し下げたところはすかさず買いが入る。加えて、この堅調さは先高観が台頭していることの表れだろう。さらなる上値を見込む声が増えてきたように思う。これからメディアで来年の相場予測などが多く発表されるだろう。来年は日経平均3万円との見立てはマネックスの専売特許でなくなりそうである。
来年の前に、師走相場はどうなるだろう。12月は「クリスマス・ラリー」「サンタクロース・ラリー」といって年末特有の株高という季節性がある。ただ今年は11月が異常なハイペースの上昇相場になっただけに、一服となる可能性がある。
その引き金は、金利上昇で割高感が意識されて米国株が調整することだ。従来から指摘しているがイールドスプレッドが警戒水準に迫ってきた。米国の長期金利が1%を超えるようだと、いったんは大きな調整を余儀なくされるリスクが高い。
調整か、あるいは一段高で掉尾の一振か。そのカギを握るのが15~16日に連邦準備理事会(FRB)が開く連邦公開市場委員会(FOMC)だ。先日公表された11月のFOMC議事要旨では、参加者の多くは会合で「米国債の購入増など、追加緩和が可能だ」などと指摘。早ければ12月の次回会合で、量的緩和政策の拡充を検討する方針が確認された。具体的な緩和手段として「米国債の買い入れペースの増額か、購入国債の年限の長期化」を議事要旨内で挙げた。いずれにしても長期金利の上昇が抑えられるだろう。こうなると、米国株調整の引き金であるイールドスプレッド縮小要因の金利上昇が抑えられ、連邦準備制度(FED)の追加緩和という更なる「燃料」注入で、相場上昇に弾みがつくだろう。
逆に12月緩和見送りとなれば、それで失望売りとなって若干の調整入りとなろう。しかし12月に見送られたところでFEDの追加緩和期待は、持ち越しになるだけなので深い押し目にはならないだろう。
12月にはワクチンの接種も始まりそうだ。
いずれにせよ12月のFOMCまでは降りるに降りられない相場が続くだろう。