豪ドル安リスクを考える

先週から、豪ドルの反落が目立ってきた。ただそもそも、豪ドル/米ドルは先週にかけて7週連続の陽線(豪ドル高)だった。ざっと調べても、陽線が8週以上続いたケースは少なかった。その意味では、そろそろ豪ドル高の調整期間に入っていた可能性はある。

では、調整としても豪ドル下落リスクはどの程度まで考える必要があるのだろうか。調整、つまりあくまでもトレンドと逆行する一時的な動きは、経験的には52週MA(移動平均線)前後までがせいぜい。その52週MAは、豪ドル/米ドルが0.67米ドル、豪ドル/円は72円(図表1、2参照)。

【図表1】豪ドル/米ドルと52週MA (2010年~)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成
【図表2】豪ドル /円と52週MA(2008年~)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成

ただし、かりに一時的としても、果たして豪ドルは対米ドル、対円で同じように下がるだろうか。豪ドルの対米ドルと対円の違いの一つに、金利差との関係がある。簡単にいえば、対米ドルでの豪ドルの水準は金利差から見てまだ「下がり過ぎ」の可能性があるのに対し、逆に対円では「上がり過ぎ」で、金利差から正当化されるのは1豪ドル=70円程度(図表3、4参照)。

【図表3】豪ドル/米ドルと米豪金利差(2019年7月~)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成
【図表4】豪ドル/円と日豪金利差(2019年7月~)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成

 

以上をまとめると、この数ヶ月ほぼ一本調子で上昇してきた豪ドルが、その反動で一時的に下落に向かう場合、対米ドルと対円では差が出てくる可能性もあるのではないか。