早いもので、もう9月も下旬である。来週には中間期末、配当落ちと実質今年度下期相場入りだ。今日の後場から日経平均は上げ幅を縮小してきた。大引けまでプラスを維持できるか怪しいが(14時現在)、さすがにこれだけ上昇が続いてくれば、3連休を控えた金曜の午後は手仕舞い売りが広がるのは当然だろう。
さすがにこれだけ上昇が続いてくれば ‐ と述べたが、日経平均は今月に入ってまだ2日しか下げていない。下げたのは、2日新甫で始まった9月初日と10日連騰までで続伸が途絶えた18日の2日だけだ。昨日までの13営業日で11勝2敗である。
業種で11勝2敗は、海運・非鉄、10勝3敗で続くのが銀行、そのほか金融、金属、卸売りである。これらは9月の月初来上昇率でも上位セクターでTOPIXの上昇率を上回る。1位の海運については16%とTOPIXの上昇率の倍以上だ。
これら業種の顔ぶれをみて気づくのは、景気敏感業種がずらりと並んでいることだ。そしてこれは2016年後半に買われた業種でもある。
2016年半ばには前年のチャイナショックから下降トレンドにあったグローバル景気が底打ち反転上昇に転じた。そのときも今とまったく同じ景気敏感株がアウトパフォームした。足元、株式市場で買われてきた業種は、2016年後半のアウトパフォーマンス業種と一致している。これは、足元がグローバル景気の底であるということを示唆しているよう思われる。
一方、年初来高値をとってきた銘柄という観点で相場の牽引役をみるとまた異なった側面が見られる。鉄道株や通信、食品、薬品などディフェンシブっぽいところも買われているのだ。鉄道株高は不動産株としての評価もあるだろう。
年初来高値と52週高値が一致している、すなわち純粋に高値追いのトレンドにのっている積水ハウスのような銘柄もあれば、昨年の高値に戻ってきている銘柄もある。52週高値比率の欄を参考にしてほしい。
かつて圧倒的に強く、その後トレンドが下方に屈曲したが、最近再び上昇トレンドに回帰したかのような銘柄もある。ニトリ(9843)、ツルハ(3391)、ウェルシア(3141)、MonotaRO(3064)、スクエニ(9684)、三井物産(8031)などは52週高値までまだ1割超もあって狙い目だと思う。