今週の日経平均の予想レンジは2万1500~2万1900円とする。今週はここで挙げたレンジの通り2万1000円台後半での値動きとなりそうだ。ポイントはレンジ上限の2万1900円どころまで上昇し5月の連休明けに空けた「窓」を埋めにいけるかという点である。

日経平均は25日、75日、200日の移動平均が一か所に収斂してきており膠着相場が相当煮詰まってきている。こうなると、そろそろ上下どちらかに放れるタイミングだが、問題はどちらに放れるか。25日線が75日線と200日線とを下から上に抜けるゴールデンクロスが示現している。出来高が薄く夏枯れを心配する声もあるが、案外、上に放れるのではないか。 

そのきっかけになりそうな材料は目白押しだ。29~30日に日銀金融政策決定会合、30~31日に米連邦公開市場委員会(FOMC)がある。それらに続いて英イングランド銀行が8月1日に金融政策を発表する。世界的に金融緩和の流れが加速しそうだ。30~31日には上海で米中の閣僚級貿易協議が5月の決裂後、初めて再開される。経済指標は31日の中国製造業PMI、1日にはISM製造業景況感指数、2日には米雇用統計と重要な指標の発表が連日続く。

今回のFOMCは10年半ぶりの利下げが確実視されている。無論、大きなイベントで材料出尽くしといった市場の反応にはじゅうぶん警戒したい。だが、何と言っても日本株式相場の大きな材料は、国内外の企業決算だろう。先週の序盤戦で目立ったのは、足元悪くても市場の予想や前四半期を上回るなど回復期待が持てる内容だった銘柄はポジティブな株価の反応がみられたこと。信越化学、日本電産、アドバンテスト、富士通などがその典型だ。

今週は決算発表が佳境を迎える。29日にコマツ、日立、ファナックなど73社、30日にソニー、任天堂など192社、31日に武田、パナソニックなど403社、1日に三菱商事など118社、2日にトヨタ、ホンダなど195社が決算発表を予定している。

海外の注目は、30日のアップルやAMD、31日のクアルコムと韓国サムスン電子。このところのハイテク株物色の流れを加速させるかどうか。

米司法省は26日、ソフトバンクグループ傘下の米携帯通信4位スプリントと、同3位TモバイルUSの合併計画を条件付きで承認したと報道された。合併承認が好感され、26日の米株式市場でスプリントの株価は前日比7%高、Tモバイルも5%高となった。週明けの東京市場ではソフトバンクグループの株価が動意づくだろう。日経平均への寄与度が大きい銘柄だけに注視したい。