1.概況
本日の日経平均は236円高の2万2389円と3日続伸しました。TOPIXやJPX日経400も上昇しましたが、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数は小幅に下落するなど主要指数は高安まちまちでした。昨日の米国市場でダウ平均が400ドル近く上昇したことを受け、日経平均は238円高の2万2391円と続伸して寄り付きました。日経平均は寄り付き後しばらくは寄り付きの水準でもみ合いましたが、10時半頃から上げ幅を広げると一時は348円高の2万2502円まで上昇しました。しかし2万2500円どころにあった25日移動平均が意識されてか日経平均はその水準で頭を押さえられた格好となり、その後は伸び悩みました。前場を307円高で終えた日経平均は後場寄りからやや上げ幅を縮めるとその後は171円高となる場面もありました。引けにかけてやや値を戻した日経平均は、結局236円高で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆6299億円となりました。東証33業種は28業種が上昇しました。中でも鉱業と電気機器が2%を上回る上昇となりました。一方でサービス業、陸運業、海運業、食料品、水産・農林業の5業種は下げています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが上昇しました。売買代金トップの任天堂(7974)が1%強上昇したほか、三菱UFJ(8306)、ソフトバンクグループ(9984)、ソニー(6758)、東京エレクトロン(8035)、ファナック(6954)、ファーストリテイリング(9983)などがいずれも上昇しました。著名投資家のウォーレン・バフェットがテレビ番組でアップル(AAPL)について好意的な発言をしたことや、新型iPhoneについての報道が出たことが刺激となりアップル関連銘柄が賑わいました。アルプス電気(6770)が6%近く上昇したほかジャパンディスプレイ(6740)が4%高、太陽誘電(6976)も3%近く上昇しました。その他材料が出たところでは、大手証券が「買い」の投資判断でカバレッジを開始し、目標株価を現在の株価を大きく上回る価格に設定した良品計画(7453)が3%を超える上昇となりました。また、今期の営業利益が現在の会社予想(1200億円)をやや上回る前期比7%増の1250億円前後になりそうとの観測報道が出たNTTデータ(9613)は2.3%高としっかりでした。
【VIEW POINT: 明日への視点】
3日続伸した日経平均ですが米国株の上昇に比べるとやや物足りない印象があるほか、25日移動平均を上回って引けることができずなかなか強気になれない市場心理を表しているかのような1日でした。やはり円高進行が市場の懸念材料になっているとみられます。今夜の米国市場ではパウエルFRB新議長の議会証言が行われます。今後の金融政策運営についてどのような主旨の発言が行われ、それを受けて米長期金利やドル円がどのように反応するかが明日のマーケット動向を左右しそうです。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)