(これを書いているのは夕方前ですが)今日は或る機会があり、これから浴衣を着ます。浴衣、好きです。今日は雨模様なので、足の裏が濡れると気持ち悪いので、雪駄ではなく下駄にしました。印伝の巾着もうろこ柄。雨モードですね。

ところでこの浴衣。極めて単純な作りです。完全なる二次元構造でもあります。柄や風合いに凝ることはあっても、製造自体は、簡単なものです。しかし(これも極めて容易ではありますが)着るには、一応その方法を知らねばなりません。即ち帯の締め方を知らねばなりません。一方洋服は、三次元構造であり、製造するのは案外難しいですが、着るのは簡単です。幼稚園生でもパジャマを着ることが出来ます。

この、日本(或いは東洋)と西洋のモノの作り方・その考え方の違いは、服以外にも当て嵌まります。箸を作るのは簡単ですが、箸を使うには一定の習得が必要です。フォークを作るのは難しいですが、幼児でも使えます。西洋ではそのモノを使うための方法=ウェアを、モノ自体の中に、即ちハードウェアの中に作り込みます。なので作るのは大変ですが、使うのは簡単です。日本ではモノを使うためのウェアは、人間に委ねます。モノを作るのは簡単で、モノを使うにはヒューマンウェアが必要です。どちらがいいかは分かりませんが、興味深い対比です。

浴衣に限らず、帯も極めて簡単な形態をしているし、下駄も単純な形です。そんな単純二次元モノを身にまとって、多次元に変身したいと思います!