今週目白押しの注目ポイント

7月13日以降の週の日本株は見るべきポイントが多いかもしれません。イベントとしては、日銀金融政策決定会合、米国の金融機関の決算発表、その結果に対する米国株の反応。指数では、中国や米国の経済指標で改善基調が続くかどうか、マザーズ指数はもみ合い継続のために底堅さを維持できるか、日経平均はもみ合いの範疇でも強気バイアスが回復するかどうか、米ナスダックの上昇が続くかどうか、急上昇が続く上海総合指数の動向、やや円高に傾きつつあるドル円相場、1バレル=40ドル超えを意識しているNY原油相場…挙げるとキリがありませんが、個人的には胸騒ぎの1週間です。

日経平均は引き続き「もみ合い相場」

週初の東京株式市場では、医薬品や情報通信、精密機器など、年前半で値を保ったセクターが売られ、鉱業や鉄鋼、海運、空運など年前半で比較的大きく下げたセクターが買われました。先週のSQを通過したことで、物色面でも仕切り直しなのか。バリュー物色がみられました。どれだけ続くかは予測できませんが、短期的にはリターン・リバーサルが意識されそうです。

日経平均の値動きからひも解いていくと、現在はもみ合い相場の真っ最中。6月前半の高値と安値の間に値動きが収まっており、長いもみ合いのパターンが完成しつつあります。

相場の「三段上げ」を今の相場に当てはめると

さて、相場の「三段上げ」とはよく言う言葉で、「上げ→下げ→上げ→下げ→上げ」で上げ相場が一巡する5波で構成する「三段上げ」です。中間の上げが一番強くなるクセがある一方、そのあとの下げ(2回目の下げ)は高値もみ合いになるケースも珍しくありません。しかも、直前の下げとは違った調整パターンを形成することが多いといえます。

今の相場に当てはめると、2回目の下げ(調整)の範疇のような気がします。なので、最後の上げが残っているとみた場合、その直前には何か変化が生じるはずです。

物色の変化や値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の逆転などで判断することもありますが、先週少し気になったのが、東京エレクトロンの上値の重さです。7月初旬までは主力株では異色の上げとなってきましたが、週初は下落する展開となりました。日本株は米国市場の動向を反映して動くと言われがちですが、ときに、日本株の変化の方が早いこともあるようです。

東京エレクトロンの下げがグロースとバリューの入れ替えのサインであれば、次に見るべきポイントは今週から本格化する米主要企業の決算です。今週予定している、JPモルガンチェース、ウェルズ・ファーゴ、ゴールドマン・サックス、バンク・オブ・アメリカなどの金融機関が決算発表で買われれば、日本株では米金融株≒銀行株となり、銀行株といえばPBR(株価純資産倍率)の低いバリュー業種の代表格です。

バリュー株への波及効果が効く可能性があり、日経平均(日本株)の三段上げ目の上昇は、内需・外需問わず、バリュー株の逆襲相場もあり得るかもしれません。