NYダウ: 24782.29  △55.64 (12/21)
NASDAQ: 6965.36  △4.40 (12/21)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は成立の目処が立った税制改革法案への期待などから押し目買いが入り3日ぶりに反発しました。51ドル高でスタートしたダウ平均はしばらくして124ドル高まで買われるとその後も高値圏で堅調に推移しましたが、引けにかけて上げ幅を縮めると結局55ドル高の24,782ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も4ポイント高の6,965ポイントとなっています。

2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比2万件増の24万5000件となり市場予想を上回って悪化しました。また、7-9月期の米実質国内総生産(GDP)確定値は年率換算で前期比3.2%増と確定値の3.3%増から下方修正され市場予想も下回りました。一方で12月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数は26.2と前月から上昇し市場予想も上回りました。11月の米景気先行指数は前月比0.4%上昇し市場予想と一致しています。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや金融、電気通信サービスなどの6業種が上げ、エネルギーは2%余りの上昇となりました。一方で公益事業や不動産などの5業種が下げ、公益事業は1%を超える下落となっています。

4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では目標株価の引き上げを受けてシェブロン(CVX)が3%を超える上昇となったほか、ゴールドマン・サックス(GS)も2%を上回る上昇となりました。また、JPモルガン・チェース(JPM)とキャタピラー(CAT)も1%以上の上昇となり、シェブロンとゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェース、キャタピラーの4銘柄でダウ平均を90ドル以上押し上げています。一方でインテル(INTC)とコカコーラ(KO)が1%以上の下落となり、ボーイング(BA)とIBM(IBM)も1%近く下げています。ダウ平均構成銘柄以外では、決算で既存店売上高が市場予想に反して増加したスポーツ用品販売のフィニッシュ・ライン(FINL)が13%近く上げ急伸しています。決算が市場予想を上回る増収増益となったコンサルティングのアクセンチュア(ACN)は1%以上上昇し、52週高値を更新しました。バイオ製薬のバイオジェン(BIIB)はアルツハイマー治療薬の臨床試験で有効な結果が出ていないと発表したことで3%を超える下落となっています。中古車販売大手のカーマックス(KMX)も決算は市場予想を上回る増収増益だったものの既存店売上高が予想を下回ったことで3%を上回る下落となりました。

5.為替・金利等
長期金利は0.01%低い2.48%となりました。ドル円は113円台前半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場が小幅な上昇に止まるなど外部環境に大きな動きがみられなかったことから本日の日本市場も小動きでのスタートが予想されます。取引参加者も徐々に少なくなるなかで日経平均に方向感のある展開がみられるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)