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【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
先週末の米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。米長期金利低下による金融株への売りが重石となりダウ平均とS&P500株価指数は続落となりましたが、ナスダック総合株価指数は3日続伸となりました。ダウ平均は一日を通して前日終値を挟んで小幅に上下し方向感に欠ける展開となり結局19ドル安の20,914ドルとなりました。S&P500株価指数も3ポイント安の2,378ポイントとなっています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は0.2ポイント高の5,900ポイントとなりました。昨日の米国市場も小動きとなるなか先週末に続き小幅に高安まちまちとなりました。午前中は40ドル高まで買われるなど小幅に上昇して推移したダウ平均ですが、午後に入り下落に転じるとその後は前日終値を挟んで小幅に揉み合う展開となりました。結局ダウ平均は8ドル安の20,905ドルと3日続落となりました。また、S&P500株価指数も4ポイント安の2,373ポイントとこちらも3日続落となっています。一方でナスダック総合株価指数は0.5ポイント高の5,901ポイントと4日続伸となっています。

2.経済指標等
先週末に発表された3月のミシガン大学米消費者信頼感指数速報値は97.6となり市場予想を上回りました。2月の米景気先行指標総合指数も前月比0.6%上昇し市場予想を上回っています。一方で2月の米鉱工業生産は前月比横ばいとなり市場予想を下回りました。2月の米設備稼働率も75.4%となりこちらも市場予想を下回っています。

3.業種別動向
先週末の米国市場で業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業や電気通信サービス、素材などの7業種が上げました。一方で4業種が下げ金融が1%を超える下落となりました。昨日の米国市場で業種別S&P500株価指数は全11業種のうち金融や公益事業、電気通信サービスなどの7業種が下げました。一方で素材や不動産などの4業種が上げています。

4.個別銘柄動向
先週末の米国市場では、米長期金利の低下を受けて金融株が売られ、ダウ平均構成銘柄でゴールドマン・サックス(GS)やJPモルガン・チェース(JPM)が1%を超える下落となりました。一方でスリーエム(MMM)とボーイング(BA)が1%高となっています。ダウ平均構成銘柄以外では決算が市場予想を上回った宝飾品のティファニー(TIF)が買われました。昨日の米国市場では、キャタピラー(CAT)が2%を超える上昇となり、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。2月までの過去3カ月間の売上高が小幅な減少に止まり販売減少に歯止めがかかりつつあるとの見方から買われました。16日に公開した映画「美女と野獣」の北米での興行収入が市場の予想を上回るペースとなったウォルト・ディズニー(DIS)も堅調でした。一方でホームデポ(HD)とビザ(V)、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)が1%以上の下落となっています。ダウ平均構成銘柄以外では、製薬大手のブリストル・マイヤーズスクイブ(BMY)とがん治療法の開発で提携を拡大すると発表したバイオ製薬のサイトムX・セラピューティクス(CTMX)が急伸しています。

5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.04%低い2.50%となりました。昨日の長期金利は0.04%低い2.46%となっています。こうしたなかドル円では円高が進み112円台半ばで推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は円高を受けて続落でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の19,500円を割り込みそうですが、25日移動平均線(先週末時点で19,394円)などをサポートに下げ渋る展開となるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)