【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,274.15  △415.12 (3/31)
NASDAQ: 12,221.91  △208.44 (3/31)

1.概況

先週末の米国市場は2月の米個人消費支出(PCE)物価指数が市場予想を下回り伸びが前月から鈍化したことでインフレ懸念が後退し3日続伸となりました。42ドル高でスタートしたダウ平均は寄り付きを安値に上げ幅を広げ昼過ぎに310ドル高余りまで上昇した後一旦伸び悩みました。しかし、引けにかけて一段高になると引け間際に431ドル高まで上昇し結局415ドル高の33,274ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も208ポイント高の12,221ポイントとなっています。

2.経済指標等

2月の個人消費支出(PCE)は前月比0.2%増に止まり市場予想を下回りました。また、個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比5.0%上昇と前月から伸びが鈍化し市場予想も下回りました。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数も前年同月比4.6%上昇と伸びが前月から鈍化し市場予想を下回っています。一方で米個人所得は前月比0.3%上昇し市場予想を上回りました。3月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)も43.8と前月から上昇し市場予想を上回りました。さらに3月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値も62.0と速報値から下方修正されましたが市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも一般消費財・サービスと不動産、コミュニケーション・サービスが2%を超える上昇となっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄はウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)を除く29銘柄が上げました。そのなかでもホーム・デポ(HD)が3%を超える上昇となったほか、スリーエム(MMM)とナイキ(NKE)、ウォルト・ディズニー(DIS)も2%以上上げました。

ダウ平均構成銘柄以外では、主力ハイテク株の上昇が目立ちテスラ(TSLA)が6%以上上げ、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)も3%近く上昇しています。ネットフリックス(NFLX)も2%余り上げ、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)も2%近く上昇しています。

一方で電気自動車トラックの新興メーカーのニコラ(NKLA)が株式の売り出しで1億ドルを調達すると発表したことで需給悪化を懸念した売りが出て13%を上回る下落となっています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は2月の米個人消費支出(PCE)物価指数が市場予想を下回り伸びが前月から鈍化したことで0.08%低い3.47%となりました。ドル円は133円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような動きをみせるかがポイントとなりそうです。また、本日は寄り付き前の8時50分に日銀短観が発表される予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)