「株主優待をもらうためには、かなりまとまった金額が必要?」と思われる人が多くいらっしゃいますが、決してそんなことはありません。10万円以下で買える銘柄もあります。そこで、どのような優待銘柄があるのかを金額別(10万円以下、20万円以下)に見ていきましょう。

株主優待銘柄:10万円以下

現在、株主優待を実施する企業は約1,500社ありますが、そのうち10万円以下で株を買える銘柄は、432銘柄あり、全体の28%程度を占めています(※1)。

図表1は、「最低購入金額」、「優待利回り」、「優待の利便性」を意識して作成しました。

  
【図表1】10万円以下で買える優待銘柄
銘柄名 株価(12月4日) 優待利回り 主な株主優待内容
ヤマダホールディングス(9831) 508円 5.90% ヤマダ電機やベスト電器などで使える優待買物券(年間3,000円相当)
DDホールディングス(3073) 635円 9.45% DDホールディングスが運営している居酒屋・レストランで利用できる「優待食事券(6,000円相当)」
ラウンドワン(4680) 940円 5.32% ボウリング場やカラオケなどのアミューズメント施設を展開するラウンドワンで使える割引券(2,500円相当×年2回)
コシダカホールディングス(2157) 452円 4.42% カラオケ本舗「まねきねこ」などで使える株主優待券(2,000円相当)
エー・ピーホールディングス(3175) 409円 7.33% 「塚田農場」、「じとっこ組合」など、自社グループ直営店舗で使える優待食事割引券(3,000円相当)
出所:筆者作成

上記の一覧の中では、ラウンドワン(4680)の株主優待の割引券が500円ずつに分かれているので使いやすく、ボウリングやカラオケ以外にも、スポッチャやメダルゲームにも使えて便利だと考えられます。

株主優待銘柄:20万円以下

20万円以下でも10万円以下と同じくらいたくさんあります。10万円~20万円以下で株を買える銘柄は429銘柄あり、こちらも全体の28%を占めています。

  
【図表2】20万円以下で買える優待銘柄
銘柄名 株価(12月4日) 優待利回り 主な株主優待内容
トリドールホールディングス(3397) 1,413円 4.25% 丸亀製麺で使える、優待割引券(3,000円相当×年2回)
エイチ・アイ・エス(9603) 1,735円 3.46% 自社の旅行商品に使える、優待券(2,000円相当)やハウステンボス優待入場割引券、ラグーナテンボス入場割引券(各500円相当)など(各年2回)
SFPホールディングス(3198) 1,301円 6.15% 磯丸水産や鳥良などの店舗で使える、株主優待食事券(4,000円相当×年2回)
スタジオアリス(2305) 1,949円 5.64% スタジオアリスで使える、株主写真撮影券(11,000円相当~)
アジュバンコスメジャパン(4929) 1,024円 4.88% アジュバンコスメの自社製品(5,000円相当)シャンプーやトリートメントなど
出所:筆者作成

株主優待は、生活圏の身近にある飲食店だと使いやすいのではないでしょうか。図表2では、トリドールホールディングス(3397)の優待が便利なのではないでしょうか。全国に1,100店舗以上あり、優待券が100円区切りとなっているので、ムダがなくなると考えられます。こうした株主への配慮はうれしいですね。

しかし、いくらよい優待でも株価が大きく下落してしまっては、元も子もありません。優待内容だけで銘柄を選ばずに、企業の業績などの財務情報も合わせて確認しておきましょう。

※1主な株主優待内容については、マネックス証券サイトの株主優待の銘柄検索で検索した結果から一部抜粋したものです。(2020年12月7日時点)

※2優待利回りの算出方法は、株主優待を利回りで考えるメリットで解説しています。