今回はメキシコペソ/円と南アフリカランド(南アランド)/円の2020年の予想レンジを考えてみたい。

この2通貨ペアも、代表的な高金利通貨だ。高金利通貨は基本的にリスク資産に位置付けられる。私は、来年にかけてリスクオン、場合によっては「究極のリスクオン」、バブルが展開する可能性もあると考えている。そうであれば、メキシコペソ/円、南アランド/円とも、上昇トレンドが展開すると予想される

経験的には、上昇トレンドが展開する場合は、52週MA(移動平均線)を5%以上といった具合に大きく上回る可能性が高い。一方でトレンドと逆の一時的な下落は、52週MAを5%以上といった具合に「大きく」、1ヶ月以上といった具合に「長く」割り込まない程度にとどまる可能性が高い。

さて、メキシコペソ/円の52週MAは足元で5.65円なので、以上を当てはめると、一時的な下落でも5.4円前後がせいぜいで、6円を目指す上昇トレンドが展開する可能性が高いといった計算になる(図表1参照)。

【図表1】メキシコペソ/円と52週MA(2001~2019年)
出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成

また、経験的には高金利通貨、新興国通貨は、基本的に5年MA(移動平均線)前後が中長期的な割高警戒域といえる。足元のメキシコペソ/円の5年MAは6.3円程度なので、以上を参考にすると、6円を超えるようならメキシコペソ割高を警戒する必要が出てくるのではないか。

同じような考え方を南アランド/円にも当てはめると、南アランド/円は52週MAが7.56円程度、5年MAが8.3円程度なので、来年にかけては下がっても7.2円前後がせいぜいで、8円を目指す可能性が高いものの、8円を上回るようなら南アランドの割高への警戒を強める必要が出るのではないか(図表2参照)。

【図表2】南アフリカランド/円と52週MA(2000~2019年)
出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成