【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 25983.94 △263.28 (6/7)
NASDAQ: 7742.10 △126.55 (6/7)
1.概況
先週末の米国市場は冴えない米雇用統計を受けて米連邦準備理事会(FRB)による利下げ観測が強まり大幅続伸となりました。ダウ平均は48ドル高でスタートすると大きく上げ幅を広げ昼前に352ドル高まで買われ節目の26,000ドルを上回る場面もありました。その後ダウ平均は上値が伸び悩んだものの堅調に推移すると結局263ドル高の25,983ドルで取引を終え5日続伸となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も126ポイント高の7,742ポイントとなっています。
2.経済指標等
5月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比7万5000人増に止まり市場予想を大きく下回りました。また、平均時給も前年同月比3.1%増に止まり市場予想を下回っています。失業率は前月と変わらずの3.6%となり市場予想と一致しました。一方で4月の米消費者信用残高は前月比174億ドル増の4兆699億ドルとなり市場予想を上回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が上げ、情報技術が2%近く上昇したほか、一般消費財・サービスとコミュニケーション・サービス、ヘルスケア、生活必需品も1%以上上げています。一方で公益事業と金融の2業種が下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中27銘柄が上げました。そのなかでもマイクロソフト(MSFT)が3%近く上昇したほか、アップル(AAPL)とインテル(INTC)、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)も2%以上上げています。また、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)とビザ(V)も2%近く上昇しました。一方で長期金利の低下を受けてJPモルガン・チェース(JPM)が1%余り下げ、ゴールドマン・サックス(GS)は変わらずとなりました。
ダウ平均構成銘柄以外では、代替肉のビヨンド・ミート(BYND)が決算が市場予想を上回る大幅増収となり、通期の見通しも市場予想を上回ったことで急伸し40%近く上げ上場来高値を更新しています。電子署名関連サービスのドキュサイン(DOCU)は決算で受注額が市場予想を下回ったことで急落し12%安となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.03%低い2.08%となりました。ドル円は108円台半ば近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高や米国がメキシコへの関税発動を見送ったことを受けて大きく上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の21,000円や25日移動平均線(先週末時点で21,146円)を超えてきそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)