NYダウ: 24103.11  △254.69 (3/29)
NASDAQ: 7063.45  △114.22 (3/29)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場はハイテク株への買戻しの動きを受けて3日ぶりに反発しました。100ドル高でスタートしたダウ平均は330ドル高程度まで上昇すると一旦上値が伸び悩みましたが、午後に入って一段高となり取引終盤には465ドル高まで買われました。3連休を控えて引けにかけて利益確定の売りが出て上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局254ドル高の24,103ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も114ポイント高の7,063ポイントとなり、節目の7,000ポイントを回復しています。

2.経済指標等
米個人消費支出(PCE)は前月比0.2%増となり市場予想と一致しました。2月の米個人所得も前月比0.4%増し市場予想と一致しています。変動の激しい食品とエネルギーを除いたPCEコアデフレータも前年同月比1.6%上昇し市場予想と一致しました。3月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値は101.4と速報値から0.6ポイント下方修正され市場予想も下回りました。3月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)も57.4となり市場予想を下回っています。一方で先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万2000件減の21万5000件となり悪化を見込んでいた市場予想に反して改善しています。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち不動産を除く10業種が上げました。そのなかでも情報技術とエネルギーが2%を超える上昇となったほか、素材も2%近く上げています。

4.個別銘柄動向
ハイテク株に買い戻しの動きがみられ、トランプ米大統領が税金を払っていないと批判したことで売りが先行したアマゾン・ドット・コム(AMZN)が1%余り上げて取引を終えています。また、利用者の個人情報流用が問題となっているフェイスブック(FB)も4%を超える上昇となったほか、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)も3%を上回る上昇となりました。さらにインテル(INTC)が5%高となりダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなっています。画像処理半導体大手のエヌビディア(NVDA)も自動運転車が死亡事故を起こしたウーバーテクノロジーズの車がエヌビディアの自動運転システムを使用していないと伝わったことで4%を上回る上昇となりました。一方決算で米国事業の既存店売上高の伸びが市場予想を下回ったドラッグストア大手のウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)が3%余り下落しました。

5.為替・金利等
長期金利はPCEデフレーターが市場予想並みとなったことで0.04%低い2.74%となりました。債券市場は聖金曜日の前営業日で短縮取引でした。ドル円は106円台半ばで推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国株高を受けて大きく上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の21,500円を回復できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)