1.概況
本日の日経平均は73円高の2万954円と8日続伸し、連日で年初来高値を更新しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。昨日の米国市場で主要指数が史上最高値を更新したことを受け、日経平均は76円高の2万958円で寄り付きました。寄り付き後の日経平均はやや伸び悩むと上げ幅を縮めてまもなく35円高と1日の安値をつけました。日経平均はその後再び上げ幅を広げると前場を97円高で終えました。日経平均は後場に入ると一段高となり、一時は113円高の2万994円と節目の2万1000円に迫る場面もありました。引けにかけてやや上げ幅を縮めた日経平均は73円高と寄り付きとほぼ同水準で取引を終えています。東証1部の売買代金は2兆5847億円となりました。東証33業種はその他金融業やサービス業、情報・通信業など19業種が上昇しました。一方で石油石炭製品や保険業など14業種が下げています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップに入ったソフトバンクグループ(9984)は3.6%の大幅高となり、日経平均を40円近く押し上げました。同社が筆頭株主となっているアリババグループ(BABA)の株価が昨日に上場来高値を更新したことや、外資系証券がソフトバンクグループの目標株価を引き上げたことなどが材料になったとみられます。また、連日大幅安となっていた神戸製鋼所(5406)も小幅に反発しました。一方で任天堂(7974)や三菱UFJ(8306)、トヨタ自動車(7203)、キーエンス(6861)、ソニー(6758)などは下落しました。材料が出たところでは、青森銀行(8342)が11%超の大幅高となりました。10月3日に発表した公募増資について発表前から増資についての風説が流布していた可能性があり、投資家保護の観点から公募増資を中止すると昨日発表したことが好感されました。また、イタリアンレストランを展開するサイゼリヤ(7581)が9.6%の大幅高となりました。昨日発表した通期決算で営業利益が前期比24.5%増と好調で、今期の営業利益予想も11%超の増加と堅調な業績見通しが好感されました。一方で持ち帰り弁当の「ほっともっと」などを展開するプレナス(9945)は昨日発表した中間業績は堅調だったものの、通期の利益の見通しが据え置かれたことが失望売りを誘って8%超の大幅安となっています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
朝方に112円40銭程度だったドル円はやや円高に振れましたが、日経平均は8日続伸し連日での高値更新となったことから市場のセンチメントは強気に傾いているとみられます。日経平均の予想PERは14倍台後半と企業業績に比べて割高感が出ているわけではありませんが、東証1部の騰落レシオが140%近くに達するなど徐々に短期的な過熱感が出てきています。こうした中で日経平均が早々に2万1000円の節目に到達し、その水準を固められるか注目されます。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)