米国株を日本の昼間に取引できる時代が、いよいよやってきそうです。

ナスダックとニューヨーク証券取引所グループのNYSE Arcaは、米国時間12月6日から、週5日、1日23時間の株式取引を始める予定です。日本時間では12月7日午前11時からとなり、マネックス証券も開始当日から対応する予定です。

現在、米国株の通常の立会時間は米国東部時間の午前9時30分から午後4時まで。

マネックス証券では、その前後の時間外取引を合わせて最大14時間、冬時間なら日本時間午後8時から翌朝10時まで取引できます。

新しい仕組みでは、冬時間で午前11時から翌朝10時までの23時間取引でき、翌日の再開まで1時間休止します。夏時間は1時間早まります。

すでに米国には、取引所外の電子取引システムを通じた夜間取引があります。

今回の大きな変化は、世界最大級の取引所が、アジアや欧州の投資家の生活時間に合わせて市場を開くことです。米国株市場のグローバル化が、取引時間の面でも一段と進むわけです。

その背景にある需要も小さくありません。米財務省によると、外国投資家の米国株保有額は2025年6月末に約19.9兆ドルに達しています。また、夜間取引を手掛けるBlue OceanのCEOは、2026年に公表されたインタビューで、韓国が同社の取引量の約35%を占めると説明しています。

日本だけでなく、アジアにはアジア時間の日中に米国株を売買したいという需要が、すでに存在しているのです。

米国企業の決算は、通常の立会時間の前後に発表されることが多く、その後も説明会や関連ニュースが続きます。取引できる時間が長くなれば、内容を読み、自分なりに判断してから売買する選択肢が増えます。仕事や家事の合間に米国株の動きを確認できるようになれば、これまで夜間の取引を負担に感じていた人にも、投資が身近になるでしょう。

大きな材料が出た日には、米国株の売買代金が、アジア時間だけで日本株の一部の人気銘柄を上回ることがあっても、僕は驚きません。日本や韓国の投資家に加え、日本時間の夕方には欧州の投資家も参加しやすくなります。これまで以上に米国企業の株価を、世界の投資家が時間帯を引き継ぎながら評価していく流れになるのだと思います。

日本株への影響も気になります。例えば、エヌビディア[NVDA]に関するニュースが出た際、同社株と日本の半導体関連株が、同じ時間帯に反応する場面が増えるかもしれません。

これまで前夜の米国株を参考にしていた日本市場が、その場で動く米国株を見ながら価格を形成するようになる。日本株だけに投資している方にも、無関係な変化ではないと思います。

もちろん、時間が延びても、すべての時間帯に十分な売買があるとは限りません。参加者が少ない時間には売値と買値の差が広がり、値動きが大きくなることもあります。指値を活用し、取引が薄い時間帯の値動きだけで長期の見方を変えない姿勢が大切です。

僕は以前から、個人投資家の皆さんに、金融資産の一部を米国株に振り向け、世界で事業を展開する米国企業の成長に参加することをお勧めしてきました。23時間取引によって、ご自身の生活スタイルに合った時間帯で取引しやすくなり、米国株投資がより身近になります。

これまで米国株に投資されてこなかった皆さんにとっても、米国株を新たな投資先として検討する、よいきっかけになるのではないでしょうか。