東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は小幅に続伸となりました。164円高の26,570円で寄り付いた日経平均は直後に214円高の26,620円を付けた後伸び悩むと9時40分過ぎに49円高の26,455円まで上げ幅を縮めましたが、その後持ち直すと再び上げ幅を三桁に広げ137円高の26,543円で前場を終えました。120円高の26,526円でスタートした後場の日経平均は上げ幅を縮め26,500円を下回って推移すると結局42円高の26,447円となり本日の安値で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数は2%超の大幅上昇となっています。
2.個別銘柄等
百貨店が買われました。中国政府が新型コロナウイルス感染拡大防止のため海外から中国本土に入る際に義務付けているホテルでの強制隔離を2023年1月8日から撤廃すると発表したことでインバウンド需要の回復を期待した買いが入りました。三越伊勢丹ホールディングス(3099)が7.0%高となり年初来高値を更新したほか、J.フロント リテイリング(3086)が5.5%高、エイチ・ツー・オー リテイリング(8242)が5.8%高、松屋(8237)も3.6%高となりました。
また、第3四半期決算を発表し政府の旅行支援や新型コロナウイルスの水際対策の緩和などで客足が回復基調にあることなどから通期の営業利益の見通しを255億円から285億円に上方修正した高島屋(8233)も7.1%高となっています。さらにインバウンド需要の回復を期待した買いでマツキヨココカラ&カンパニー(3088)やオリエンタルランド(4661)、資生堂(4911)、サンリオ(8136)、共立メンテナンス(9616)なども高く、マツキヨココカラ&カンパニーが5.2%高、オリエンタルランドが3.0%高、資生堂が6.1%高、サンリオが3.9%高、共立メンテナンスも5.1%高となり、マツキヨココカラ&カンパニーとサンリオは年初来高値を更新しています。良品計画(7453)も6.1%高となりました。原材料価格の高騰や円安進行を背景に雑貨や食品、大型家具など商品の一部を2023年1月から値上げすると発表したことで収益の改善を期待した買いが入りました。
一方でしまむら(8227)が一時3.7%安となりました。秋冬商品の一部で価格帯を引き上げ、値引き販売も抑えたことなどで第3四半期の営業利益は前年同期比で14.9%増となりましたが、通期予想を据え置いたこともあって利益確定の売りが優勢となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は42円高となりました。自律反発狙いの買いが入ったことや、時間外の米株価指数先物が堅調だったことで続伸となりました。
しかし、朝方の買い一巡後に伸び悩むと安値引けとなるなど昨日に続いて戻りの鈍さが目立つ一日となりました。今年の取引もあと3日を残すのみですが、上値の重さが意識されるなかでどこまで戻りを試せるかがポイントとなりそうです。なお、小売り企業の決算発表が始まっていますが本日も引け後にJ.フロント リテイリングやスギホールディングス(7649)などが決算を発表する予定です。
また、明日は寄り付き前の8時50分に日銀金融政策決定会合の主な意見が公表されます。日銀が緩和策を修正した19-20日の会合の内容が明らかになることから注目を集めそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)