ユナイテッドヘルス･グループ（UNH）決算：一株利益は5.31ドルで市場予想を上回る
企業概要
ユナイテッドヘルス・グループは、米国最大の民間医療保険会社であり、2020年末現在、米国と海外を合わせて4千8百万人の会員に医療給付サービスを提供している。事業者提供医療制度、自家保険制度、政府による公的保険制度のための医療保険プラン大手として、マネージド・ケア市場で大規模に事業を展開している。また、医療保険事業に加え、医療・薬剤給付サービスから提携先および第三者に対する外来患者ケアや分析サービスまでを手掛けるオプタム事業への継続的な投資により、ヘルスケア・サービス市場で巨大な組織を構築している。
出所：銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期（1月－3月期）実績
★売上高 ･･･ 前年同期比9％増の701.96億ドル（市場予想は693.02億ドル）
★1株当たり利益（一部項目を除く）･･･ 5.31ドル（市場予想は4.40ドル）
★純利益･･･前年同期比42％増の50.85億ドル（市場予想は42.97億ドル）
2021年通期ベースガイダンス
★1株当たり利益（一部項目を除く）･･･18.10－18.60ドル（従来予想は17.75－18.25ドル、市場予想は18.15ドル）
第1四半期売上高、及び調整済みEPSはともに予想を上回った。2021年度通期ベース調整済みEPSガイダンスレンジを引き上げ、予想を上回った。
今後の株価見通し
好決算発表を受け、決算発表日に同社株は一気に史上最高値を更新した。長期的にも、人口増加と高齢化により医療ニーズが高まり同社株には明らかに有利である。更なる上値追いの展開となろう。
モルガン・スタンレー（MS）決算：一株利益は2.22ドルで市場予想を上回る
企業概要
モルガン・スタンレーは、世界有数の投資銀行で、その歴史は前身となる会社が設立された1924年にまで遡る。事業は、法人・機関投資家向け証券部門、ウェルス・マネジメント部門、投資運用部門で構成され、さまざまな金融商品やサービスを事業法人、政府系機関、金融機関や個人に提供している。2020年末時点の顧客資産はおよそ4兆ドルにのぼり、全世界で7万人近い従業員を擁する。純営業収益のおよそ40%は法人・機関投資家向け証券事業、残りをウェルス・マネジメント事業と投資運用事業が占める。米国外の拠点の純営業収益が全体のおよそ30%を占めている。
出所：銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期（1月－3月期）実績
★収入･･･前年同期比66％増の157.19億ドル（市場予想は139.54億ドル）
★1株当たり利益･･･2.22ドル（市場予想は1.68ドル）
★純利益･･･前年同期比154％増の40.40億ドル（市場予想は31.14億ドル）
第1四半期収入、調整済みEPSがともに予想を上回った。純利益が前年同期比2.4倍の41億ドルとなり、過去最高益を更新した。株や債券の売買を仲介トレーディング事業や株式引受業務が好調で、アルケゴス関連の損失を吸収した。
今後の株価見通し
アルケゴス関連で9.11億ドルの損失を計上。信用イベントに関連して6.44億ドルの損失と、2.67億ドルのトレーディング損失が含まれる。これが嫌気された形で、ゴールドマン、J.P.モルガン･チェース株は上昇したにもかかわらず、同社株は下落している。ただし、決算内容は堅調であり、同社株の深押しはあるまい。
IBM（IBM）決算：一株利益は1.77ドルで市場予想を上回る
企業概要
IBMは、企業の情報技術（IT）において必要なあらゆる側面の一部となっている企業である。主にインフラストラクチャー・サービス（収益の37％）、ソフトウェア（29％）、ITサービス（23％）、ハードウェア（8％）を販売している。175ヶ国で事業を運営し、約35万人を雇用している。8万のビジネスパートナーを有し、5,200の顧客（フォーチュン500全体の95％を占める）にサービスを提供している。B2B企業であるが、対外的影響はかなり大きい。例えば、全クレジットカード取引の90％をグローバルに管理し、世界の全無線接続の50％を担当している。
出所：銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期（1月－3月期）実績
★売上高･･･前年同期比0.9％増の177.3億ドル（市場予想は173.2億ドル）
★1株当たり利益（一部項目を除く）･･･1.77ドル（市場予想は1.65ドル）
★粗利益率･･･47.3％（市場予想は47.2％）
19日夕発表の2021年1－3月期決算がクラウド関連の好調さを背景に、売上高が市場予想に反して5四半期ぶりに増え、買いを誘った。
売上高は前年同期比1％増の177億3000万ドルと、市場予想（173億2000万ドル）を上回った。クラウド･コグニティブ･ソフトウェア部門が4％増の54億3700万ドルと市場予想（約53億ドル）以上に増えた。複数の部門にまたがるクラウド関連事業の収入は21％増と20年10－12月期（10％増）から拡大した。
今後の株価見通し
19日夕の米株式市場の時間外取引で同社株は上昇した。通常取引を前週末比0.4％安の133.12ドルで終えた後、時間外取引で138ドル台後半と終値を約4％上回って推移し、戻り高値を更新した。今回の好決算で、更なる上値追いとなろう。
