半導体株などの指数寄与度が高い銘柄を多く含む日経平均株価は、AI向け過剰投資懸念などを理由にボラティリティの高い展開が続いています。一方で、中長期的な成長期待もあることから、足元の株価調整が関連銘柄のファンダメンタルズを超えて過度に進んでいる可能性は気になるところです。そこで今回は、日経半導体株指数の構成30銘柄を対象に、年初来騰落率、予想PER、予想EPSとその3ヶ月変化率、14日RSI、52週高値乖離率を比較しました。
まず注目されるのは、予想EPSの増加が幅広い銘柄に見られる点です。30銘柄のうち28銘柄で予想EPSが3ヶ月前を上回り、18銘柄では増加率が10%以上となりました。多くの銘柄で12ヶ月先の予想利益水準が切り上がっています。
株価は年初来ベースでは25銘柄が上昇し、騰落率の中央値はプラス34.8%となっています。一方、直近の値動きの強弱を示す14日RSIは、27銘柄で50を下回り、中央値は41.2となりました。年初来では値上がりしている銘柄が多いものの、短期的には株価の勢いが弱まっている様子がうかがえます。
もっとも、RSIが一般に売られすぎの目安とされる30を下回った銘柄はありません。高値からの下落幅だけで反発を期待するのではなく、予想利益の変化やPERを組み合わせて評価する必要があります。
こうした観点から、まず確認したいのがフェローテック(6890)です。同社の予想EPSは3ヶ月前比52.9%増加している一方、予想PERは10.9倍と、対象30銘柄の中央値である16.6倍を下回っています。14日RSIは35.3で、先行きの予想利益水準が切り上がる一方、足元の株価の勢いは弱いという組み合わせです。
ローツェ(6323)も、同様の視点から注目されます。予想EPSの3ヶ月変化率はプラス33.3%、予想PERは13.9倍です。14日RSIは42.3となっており、予想利益の増加と短期的な株価の弱さが併存しています。同社も年初来では64.5%上昇しているため、利益成長への期待がこれまでの株価上昇にどこまで織り込まれているかを見極めることが重要です。
調整色の強い半導体関連銘柄ですが、今後の決算や会社側の見通しを通じて予想利益の裏付けができれば、良い買い場と判断できる可能性もあります。既に最新の決算を発表した銘柄も散見されますが、この11月に決算を控える銘柄もあり、企業が示す業績予想と照らし合わせてチャンスをうかがいたい局面と言えるでしょう。
