モトリーフール米国本社 – 2026年10月12日 投稿記事より

AI関連株はここ数年間、株式市場の上昇を牽引する主な原動力となってきました。半導体設計企業のエヌビディア[NVDA]やメモリー半導体大手マイクロン・テクノロジー[MU]といった企業の株価は、数百~数千%上昇しました。

しかし、ここ数ヶ月間で一部のAI関連銘柄は失速し、業績が好調な企業でさえ株価上昇の勢いが鈍化しています。これは、大手ハイテク企業によるAIインフラ整備への10億ドル単位の投資が持続可能なのかという投資家の懸念や、景気を取り巻く経済全般に対する不安が高まっているためです。

こうした株価の低迷は、将来AI市場を牽引する有望企業の株式を、より割安な価格で購入できるチャンスとなる可能性があります。今回紹介するAI関連2銘柄は最近苦戦していますが、ウォール街(アナリスト予想平均)は今後12ヶ月間に両社の株価も75%近く上昇すると予想しています。

コアウィーブ[CRWV]:AI需要拡大とエヌビディアとの連携が成長を後押し

直近の四半期決算で売上高が史上最高を更新

コアウィーブ[CRWV]が提供するサービスに対するここ数ヶ月間の需要はきわめて旺盛で、衰える気配もありません。同社はAIの処理を実行するための計算能力(コンピューティング能力)を提供するクラウド・サービス・プロバイダーですが、アマゾン・ドットコム[AMZN]やマイクロソフト[MSFT]などの巨大クラウド企業とは少し異なります。大手各社がAI以外のさまざまなクラウドサービスも提供しているのに対し、コアウィーブはAI向けクラウドに特化しています。

こうしたAI分野への特化戦略に加え、半導体業界のリーダーであるエヌビディアとの緊密な関係も、コアウィーブを差別化し、大きな成長を実現する支えとなっています。同社は2025年には年間売上が史上最速で50億ドルに到達し、直近四半期(2026年8月発表)において、過去最高となる26億ドルの売上を計上したクラウド企業となりました。コアウィーブはエヌビディアの株式ポートフォリオで3番目に大きな保有銘柄であり、エヌビディアの最新プラットフォームをいち早く一般提供してきた企業でもあります。

エヌビディアが持つAI市場に深い知見を、コアウィーブに提供していることは心強い材料となるでしょう。一方、コアウィーブはインフラ構築資金を負債調達に依存しているため、財務レバレッジが高い企業です。そのため、リスクを積極的に取れる投資家に適した銘柄と言えるでしょう。

とはいえ、2026年5月初旬から株価が37%下落したことや同社の強みを考慮すると、リスクを積極的にとれる投資家にとって魅力的な投資対象となる可能性があるでしょう。

セレブラス・システムズ[CBRS]:エヌビディアに挑む独自AI半導体で急成長へ

セレブラス・システムズ[CBRS](以下、セレブラス)は2026年5月に新規株式公開(IPO)を実施し、一躍注目を集めました。同社の株価は取引初日に+68%と急騰しましたが、その後は約9%下落しています。これは、セレブラスに関わる悪材料によるものではなく、投資家がAI関連銘柄に対して慎重な姿勢を取っていることが主な理由です。

グラフィック処理装置(GPU)メーカーに対する挑戦者

セレブラスは自社を、AIワークロードの処理を高速化する新たな方法として、独自の半導体「ウェハ・スケール・エンジン(WSE)」を提供しているため、エヌビディアをはじめとするグラフィック処理装置(GPU)メーカーに対する挑戦者と位置付けています。
この半導体はエヌビディアの「B200」の58倍の大きさを持ち、エヌビディア製半導体2基を合わせた場合と比較すると、メモリー帯域幅は2,000倍を超えます。セレブラスは自社製品を「市場における最速の推論プラットフォーム」と説明しています。AIがますます現実社会の課題解決に活用される中、こうした技術的な強みが今後の大きな成長を後押しする可能性があります。

製造能力やデータセンターの処理能力を増強

セレブラスは2026年8月、ラック単位で構築される大型ソリューションである「CS-4」を新たに発表しました。これは3基の新型WSEを搭載し、同社によればGPUベースのシステムに比べ、最大30倍高速だとしています。発表された決算も、あらゆる指標で自社のガイダンスを上回りました。

セレブラスの第2四半期のクラウドおよびサービス部門の売上は1億2,600万ドルに達し、前年同期比200%超の増加となりました。さらに、同社はサプライチェーンを拡張し、製造能力やデータセンターの処理能力の増強も進めています。

コアウィーブと同様、セレブラスへの投資にも一定のリスクがあります。同社は、この市場では比較的新しい企業であり、エヌビディアや半導体大手のアドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]のような企業が長年にわたって築いてきた顧客との関係や、安定した業績の実績をまだ持ち合わせていません。しかし、セレブラスの技術は非常に魅力的であり、顧客からの需要も高まっています。

免責事項と開示事項 記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Adria Ciminoはアマゾン・ドットコムの株式を保有しています。モトリーフール米国本社は、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ、アマゾン・ドットコム、マイクロン・テクノロジー、マイクロソフト、エヌビディアの株式を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、情報開示ポリシーを定めています。