「パンがなければお菓子(ブリオッシュ)を食べればいいじゃない」
本当にこんなことを言ったという確かな証拠はなく、王妃への反感を象徴する言葉として後世に広められた俗説とされています。37歳で処刑された悲劇の王妃マリー・アントワネット。どんな時代を生きたのか、どのようなドレスをまとって生活していたのかに興味もあって、横浜美術館の「マリー・アントワネット・スタイル」を見に行ってきました。
祝日だったためか入館まで70分の大行列。これほど並んだのは2025年大阪関西万博以来でしたが、行列は圧倒的に女性が多かった。フランスへの親しみと憧れが強い日本人ですが、アニメ化された漫画「ベルサイユのばら」の大ヒットの影響も大きいと思います。ただ、行列の女性陣は決してベルばら世代だけでなく若い女性の姿も少なくありませんでした。しかも、思い思いにマリー・アントワネットファッションを決めて鑑賞している人の姿が多かったのが印象的でした。
マリー・アントワネットは時代の最先端を行く、当時のファッションリーダーだったとされていますが、それが今日の日本の若い女性にも影響を及ぼしているのです。とびっきりのお洒落をしてファッションリーダーだった王妃のファッションを鑑賞に行くんです、素敵ですよね。
この時代、民衆は飢えと貧困に苦しんでいたとされています。王妃が身にまとっていたドレス、宝石、扇子などの美術品はどれも繊細で優美な品々でしたが、その贅を尽くしたきらびやかな世界の対極にあった民の暮らしを思うと、その不満が王室や貴族に向かったのも理解できないこともない、というのが率直な感想です。そしてフランスは今も革命前夜を思わせる不穏な空気に包まれています。
9月中旬に高校生が始めた学校封鎖は教員不足や校舎の老朽化といった劣悪な教育環境の改善を求めるものでしたが、それがインフレによる生活費や光熱費の高騰、家賃の急上昇などの生活苦への不満とも重なって広がりを見せています。
足元では米中間選挙の影響で世界の株価が不安定化し、債券市場への資金シフトがフランスの金利まで低下させていますが、フィッチは先般、フランスの格付け見通しを安定的からネガティブに引き下げており、根本的な解決の糸口は見えていません。米国中間選挙はインフレがトランプ共和党の大敗をもたらしましたが、フランスは来年2027年4月に大統領選挙を控えています。極右・国民連合のルペン氏と急進左派メランション氏の一騎打ちとなるとみられており、フランス史上かつてない左右の両極による決選投票となる可能性が指摘されています。
「マリー・アントワネット・スタイル」は11月23日(祝日)までです。
- 大橋 ひろこ
- フリーアナウンサー
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フリーアナウンサー/ナレーター/個人投資家。福島県出身。アナウンサーとして経済番組を担当したことをきっかけに自身も投資を始め、現在では個別株、インデックス投資、投資信託、FX、商品先物と幅広く投資している。個人投資家目線のインタビューに定評があり、経済講演会ではモデレーターとして活躍する。自身のトレードの記録はブログで赤裸々に公表しておりSNSでの情報発信も人気。一時期は海外映画やドラマの吹き替えなど声優としても活動していたが、現在は経済番組に専念。現在ラジオNIKKEIなどで経済番組レギュラーを多数抱え、キャスターとしても多忙な日々を送っている。
