警鐘を鳴らしてきたAIを巡るバブル的な状況の調整がいま起きている
いま市場で起きているのはAIを巡るバブル的な状況の調整である。これに対して僕は継続的に警鐘を鳴らしてきた。
『「AI」は「バブル」。言葉を補って、「今のAIに対する期待・妄信・熱狂」はバブルかもしれない。』と結んだ「AIはバブルか」と題したレポートを書いたのは約1年前の11月だ。
以降、再三再四にわたってこの問題に言及してきたが、今月に入ってからその頻度が急増している。日経電子版連載の「広木隆のザ・相場道」をはじめ外部のサイト、PIVOTや東洋経済などの動画、そしてもちろんホームであるMonday Night Liveでも取り上げた。
米メタの決算で、市場のAI関連投資の回収可能性に対する警戒感が再燃
今週の週間相場展望でも「AI村の錬金術」への疑心と書いたが、もうひとつ、より短期的なポイントとして米メタ・プラットフォームズ[META]の決算発表にも言及した。展望ではこう述べた。
「AI関連投資の拡大が実際の収益成長に結びついているのか、経営陣が今後の投資計画と収益見通しをどのように説明するかが注目される。(中略)好決算が相次げば過度な悲観論が後退し、売られ過ぎた半導体関連株に買い戻しが入る可能性があるとの声が多く聞かれるが、僕は懐疑的に見ている。好業績にもかかわらず株価が反応しないようであれば、相場の調整は単なる利益確定売りではなく、投資家のリスク許容度そのものが低下していることを示唆しよう。」
火曜日に出演したストックボイスではさらに踏み込んだ。こちらはマネクリで文字になっているので確認しよう。
直近期の決算では、利益額よりもフリーキャッシュフローや資金調達の内訳への関心が高い。AI投資が膨張する一方で評価益が利益を押し上げ、現金創出力が弱く、社債発行で投資資金を賄う構図が目立つ。
大手プラットフォーム企業では前四半期にフリーキャッシュフローがマイナスとなった例があり、今回もマイナスが続けば資金繰りへの不安が再燃する可能性がある。
まさに昨日発表された7-9月期のメタの決算では、設備投資が前年同期比8割増の349億ドルで、近年で初めて営業キャッシュフロー(CF)を上回った。これが嫌気され、AI関連投資の回収可能性に対する警戒感が再燃、米国のハイテク株安につながった。
来週のアルファベット決算に注目
そしていよいよ来週はアルファベット[GOOGL]の決算が出てくる。2四半期連続でFCFがマイナスとなれば市場がどのような反応を示すか不安である。しかし、楽観的な見方をすれば今回のメタである意味、「予行演習」は済んでいる。ハイパースケーラーの過剰投資を示すFCF赤字に対する耐性ができたとも言える。
10月は株価が軟調になりやすい季節性もあるが、逆にそこが絶好の買い場となる「ハロウィン効果」でも知られる。アルファベットの決算で株価が下押す場面は、押し目買いのチャンスかもしれない。

