現在のファンダメンタルズ:日米協調介入で円が急反騰

先週(8月3日週)のレンジと終値(マネックストレーダーFXのBidレート)
・米ドル/円:  155.214円~158.571円      157.796円
・ユーロ/米ドル:1.15005ドル~1.15806ドル    1.15576ドル
・ユーロ/円:  179.362~182.689円       182.375円

先週(8月3日週)の為替市場:米ドル/円は日米協調介入で157円台へ

8月3日週の為替市場は、前週(7月27日週)の日米協調介入や日米双方からの声明を警戒して円買いの流れが先行し、仲値前には一時155,214と介入後の円高値をつけました。8月3日朝の動きも介入とみていましたが、8月4日に日銀当座残予想を確認したところ、介入では無かったことが判明しました。今後も協調介入を継続するという日米双方からの声明を受け、まずは市場が敬意を示したに過ぎなかったのでしょう。

その後は、動きが止まると円売り再開という、これまでの動きに沿った流れが続きましたが、7月30日の安値とも重なる158円を節目とみる参加者が多く、8月6日(木)のNY市場までは158円をつけられない展開となっていました。

しかし、158円を上抜けると短期筋のストップオーダーも巻き込みながら8月7日(金)朝方には158.571の戻り高値を示現し、この水準は後述するテクニカルなターゲットとも一致したことで、目先の戻り高値という見方も広がりました。

米国雇用統計の発表があり、米ドル全面安に

8月7日(金)は米国雇用統計の発表もあり、NY市場までは様子見姿勢が続いていました。米雇用統計は失業率を除いて軒並み数字が悪く、非農業部門雇用者数は予想外のマイナス2.3万、前月の数字も下方修正されたことで、米ドル全面安となりました。

これらの数字を受け米金利は低下、金曜の引け時点でFF(米政策金利)先物の利上げ織り込み度は9月FOMC時点で44%、10月利上げ織り込み度が現状71%となりました。

投機筋の円売りポジションは4.5万枚に激減

また8月4日時点のシカゴ通貨先物における投機筋の円売りポジションは7月28日時点の16.3万枚から4.5万枚へと激減、前週の協調介入でかなりの円売りが解消されたようです。

当面は協調介入後の落ち着き先を探る展開となっていきそうです。今後介入のための米ドル借入というニュースがいつ出てきてもおかしくありませんし、最初の借入ニュースにはそれなりに反応すると見られるため、今週(8月10日週)は戻り売りからスタートする方向を考える参加者が増えると考えられます。

米ドル/円チャート(週足)、移動平均線下抜け2週で下降トレンドへ

長期的な判断は週足で行います。

米ドル/円は前週(7月27日週)の為替介入による円急騰、そして先週(8月3日週)も弱い米国雇用統計を受けて上値が重たいままで引けたことから週足終値は2週連続で移動平均線を下抜け、下降トレンドが確定しました。また2025年のトランプ関税発表後の米ドル安値を起点とした平行上昇チャンネルも下回っているため、当面はこの下側サポートライン(今週158円台後半)がレジスタンスとして意識される見込みです。

引き続き円安が進行するようであれば、声明通りに再度為替介入が行われる可能性がありますが、材料的にはいまだ円安材料が多く、押し目での米ドル買いの動きも根強いものがあります。中期的にはもみあいのレンジがシフトして155~160円になっていくと考える参加者も増えていると考えられます。

【図表1】米ドル/円(週足)
出所:マネックストレーダーFX
週足チャートの見方
長期トレンドは20週移動平均線と週足終値との位置関係で判断します。
・上昇トレンド=週足終値が移動平均線の上にある
・下降トレンド=週足終値が移動平均線の下にある
トレンド転換の判断はダマシを排除するため、2週連続で移動平均線を上回るか、下回った時にトレンドが転換したという見方をします。

米ドル/円チャート(日足)、8月7日にゴールデン・クロス(GC)へ転換

短期的な判断は日足で行います。

7月30日の為替介入を受けてデッド・クロス(DC)に転換していましたが、先週(8月3日週)は8月7日を除いて、じり高のうごきとなり、8月7日には雇用統計後の下げはあったものの、ゴールデン・クロス(GC)となりました。動きとして若干違和感あるかもしれませんが、5日平均でみるとそうなるということです。

日足チャートでは年初来高値163.985と介入後安値155.214とのフィボナッチ・リトレースメントを表示してあります。8月7日高値の158.571が38.2%リトレースメントの158.565と一致していることから、短期的には158円台半ばがレジスタンスになるという認識です。いっぽうでサポートは雇用統計後安値の156円台後半となりますので、短期的には8月7日のレンジの中での動きを中心に、その後どちらに動くのかを見る一週間となりそうです。

【図表2】米ドル/円(日足)
出所:マネックストレーダーFX
日足チャートの見方
短期売買シグナルは5日終値移動平均線(青)と5日始値移動平均線(赤)のゴールデン・クロス(GC)、デッド・クロス(DC)で判断します。
・買いシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を下から上に抜くGC
・売りシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を上から下に抜くDC

短期上昇トレンドの間は終値移動平均線が始値移動平均線の上で推移し、短期下降トレンドの間は終値移動平均線が始値移動平均線の下で推移します。通常の2本の移動平均線で言えば、終値が短期線の役割、始値が長期線の役割を果たしていると考えるとわかりやすいでしょう。

※マネックストレーダーFXでは、移動平均線の設定画面で始値を選択することができます。

ユーロ/米ドルはレジスタンスに到達

ユーロ/米ドルのチャートから見ていきます。

週足チャート(図表3)ではユーロ/米ドルも、米ドル/円での円高・米ドル安が進んだことを受けてユーロ買いとなりましたが、下降ウェッジの上限(緑のライン)に到達した水準で止められている状態です。移動平均線も同じ水準に位置していますので、今後の米ドル/円次第ではあるものの、同水準を上抜けると、もう一段のユーロ高が見込まれます。

【図表3】ユーロ/米ドル(週足) 長期トレンド=ぎりぎり下降トレンドで踏みとどまる
出所:マネックストレーダーFX

日足チャート(図表4)では7月29日のゴールデン・クロス(GC)状態が続いており、緑のレジスタンスラインも上抜けし始めていることからトレンドとしてはユーロ高の流れが続きやすい状況だと言えます。現状、ユーロ/円も短期的に底堅い動きとなっており、ユーロ高になりやすい地合いを作っています。

【図表4】ユーロ/米ドル(日足) 短期トレンド=7月29日のゴールデン・クロス(GC)継続
出所:マネックストレーダーFX

ユーロ/円は移動平均線下抜け2週で下降トレンドへ転換

ユーロ/円(図表5)は20週移動平均線下抜けた状態が2週確定で確認されたため、長期的には下降トレンドへの転換が確定しました。青の中期平行チャンネルも2週連続で下抜けており、当面はこのチャンネルの下限(今週183円前半)がレジスタンスとして意識されやすい水準となります。

【図表5】ユーロ/円(週足) 長期トレンド=下降トレンドへの転換目前
出所:マネックストレーダーFX

日足チャート(図表6)では7月30日のデッド・クロス(DC)への転換後、先週(8月3日週)の底堅い動きを反映して、8月7日にゴールデン・クロス(GC)へと転換しました。長期的には下降トレンドにあるものの短期的には底堅いという流れです。また、介入前高値と安値との38.2%戻しである182.460の水準にあることから、今週(8月10日週)はこの水準を上抜けるか止められるかをまずは見たいところです。

それでは今週も良いトレードを!

【図表6】ユーロ/円(日足) 短期トレンド=8月7日にゴールデン・クロス(GC)に転換
出所:マネックストレーダーFX