AI・半導体関連株は本格的な戻り局面に入ったか
今週の日本株相場は、AI・半導体関連株の復調を支えに、強含みの展開を予想する。先週の日経平均は前週末比1244円高の6万5606円で終え、2週ぶりに上昇した。けん引役は出直りが鮮明となったAI・半導体株だった。週後半には再び戻り売りに押されたものの、下値は限定的だった。下げ渋って日中安値から切り返す場面が見られるなど、押し目買い意欲も相当程度あることが確認されたと考える。
今週の焦点のひとつが、AI・半導体株の戻りが勢いを増すかどうかだ。SOX指数は先週末に25日線を上抜け、短期的な売られ過ぎ局面からは脱したとみられる。国内でもイビデン(4062)やフジクラ(5803)など好決算銘柄への買いが目立ったほか、決算発表後に材料出尽くしで売られた半導体関連株にも見直し余地が出ている。ただし、ストラテジーレポートでも述べた通り、AI・半導体株が全体として本格的な戻り相場に入ったかはまだ予断を許さない。米国でも半導体株の戻り相場の中ではメモリー株には弱さが残っている。
半導体株の本格的な戻りを占う意味で重要なのが13日に予定される米アプライド・マテリアルズ[AMAT]の決算である。AI向け半導体投資の拡大が継続していることが確認されれば、日本の半導体製造装置株にも追い風となろう。反対に設備投資の鈍化を示唆する内容となれば、ようやく戻り始めた半導体株に再び売り圧力が強まる可能性がある。
米国金融政策を巡る不透明感の後退による日本のグロース株への追い風
外部環境では米国の金融政策を巡る不透明感がやや後退したことがプラス材料である。7日発表の7月米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比2万3000人減と予想外のマイナスとなり、早期利上げ観測が後退した。米長期金利が低下し、ナスダックやSOX指数が上昇した流れは、日本のグロース株にも追い風となろう。ただし、12日の米CPI、13日のPPIには注意が必要である。インフレが予想以上に強ければ利上げ観測が再燃し、ハイテク・半導体株の上値を抑える可能性がある。もっとも、雇用の弱さが明確になったことで、多少のインフレ上振れだけでは金融引き締め観測がそれほど台頭しない状況になったとは言えるだろう。
中東情勢は引き続きリスク要因である。ホルムズ海峡を巡る米国とイランの協議には進展期待がある一方、依然として情勢は流動的である。ただ、原油価格が落ち着きを取り戻すならば、インフレ懸念の後退を通じて株式市場にはプラスとなる。逆に交渉が決裂し、原油価格が再び急騰すれば、米国の利上げ観測と日本の輸入インフレ懸念を同時に高めかねない。
お盆休み入りによる市場参加者の減少にも注意
需給面では、お盆休み入りによる市場参加者の減少にも注意したい。11日は山の日で東京市場が休場となり、今週は実質4営業日である。機関投資家の売買が細る一方、個人投資家の存在感が高まりやすく、好決算の中小型株や材料株に短期資金が集中する可能性がある。
先週の後半、日経平均は25日移動平均で頭を抑えられた格好になっている。これは早晩上に抜けると想定しているが、次に目指すターゲットは6月22日の高値から7月29日の安値までの半値戻しだろう。すなわち、その水準である6万6640円が重要な上値の節目となる。ここを明確に突破すれば、再び最高値を意識する展開へ移行する可能性が高まろう。
それを踏まえて予想レンジは6万4500円-6万7500円とする。

