吉田恒の為替デイリーの記事一覧

チーフ・FXコンサルタントの吉田恒が独自の視点から日々のマーケット情報や注目材料などをお伝えします。
 

毎営業日更新
吉田恒の為替デイリー
【為替】通貨当局の「円安懸念」を考察する
米ドル/円が、過去5年の平均値である5年MA(移動平均線)を2割以上と大幅に上回ってきた。2022~2023年の場合、5年MAから2割を超えて米ドル高・円安が進むと通貨当局は円安けん制を強める傾向があった。 結果的に米ドル売り・円買い介入を実施した2022年に対し、2023年に介入は行われなかった。株高局面の円安に対しては、通貨当局も寛容になった可能性がある。
【為替】米金利で考える米ドル高・円安の見通し
年明けから米ドル高・円安へ戻す展開が続いている。 この米ドル高・円安はどこまで続くかについて、日米金利差との関係から考えてみる。
【為替】伸び悩んだ円高と米景気の関係
年明け以降、米金利が「下げ渋り」、それを受けて米ドル安・円高も足踏みとなった。 米金利「下げ渋り」の主因は、米景気について「急減速」の兆しが未だ確認できないことだろう。2023年10~12月期の米実質GDPも2%程度といった「緩やかな減速」にとどまる見通しになっている。
【為替】新NISAと円安の関係を考える
新NISAにより、対外証券投資の買い越しは年数兆円規模で拡大するとの見方もある。それは円相場にはどのような影響となるか。 結論から言うと、すでに外貨の割高懸念が強い中で、さらなる外貨高・円安をもたらすものではないのではないか。
【為替】影響力増す金利差狙いのFXトレード
日本と諸外国の間の大幅な金利差が続く中で、その収益機会を強く意識し、外貨買い・円売りポジションをとるFXトレードが増えている。この取引は絶対的に大幅な金利差が大前提となっているため、時には金利差からかい離した円安をもたらすこともある。 一方で、この取引の最大のリスクは円高。円高が大きく進む可能性が出てきた場合は、ポジションの解消によって金利差で説明できる範囲を超えた円高が起こるリスクもある。
【為替】為替調整に日米金融政策協調という発想
当面の金融政策について、米国が利下げ、日本が緩和見直しと逆方向を指向していることが過度の米ドル安・円高を招くとして、果たしてそれは懸念要因だろうか。 かつては、日米の金融政策を協調的に行うことで、行き過ぎた相場の是正といった為替調整の促進を目指した例もあった。代表例として1995年7月「日米七夕協調」を振り返る。
【為替】「円安再燃=日銀主因説」は誤解なのか
2023年12月に140円割れ寸前まで米ドル安・円高となったが、年が明けると一転して、一時146円近くまでの米ドル高・円安となった。 米ドル以外の通貨に対しても円安再燃が目立ったことから、能登半島地震などの影響による日銀の大規模な金融緩和見直し先送り思惑が主因との指摘もあるが、それは違うと考える理由を確認する。
【為替】1年前の類似相場となった米ドル/円
「米ドル/円の新年相場は、前月までの急落から一転反発に転じると、注目の米雇用統計発表までに4円以上も上昇した。NFP(非農業部門雇用者数)は予想より強かったが、間もなく米ドルは急反落となった-」。 これは先週ではなく、1年前の2023年1月第1週の為替市況を述べたものだ。こんなふうに確認が必要なほど、実は米ドル/円の2024年の新年相場は1年前とよく似ていた。
【為替】続・どこまで米ドル高・円安へ戻せるか?
今回は120日MAと52週MAとの関係から、米ドル安・円高へのトレンド転換の確認方法と、その場合の一時的な米ドル高・円安への戻りの目途などについて考えてみる。
【為替】どこまで米ドル高・円安に戻せるか?
2023年11月半ばから約1ヶ月半、150円を越える水準から140円割れ寸前まで米ドル/円は一段安となったが、さすがに一旦反発に転じてもおかしくなさそうだ。 米ドル高・円安へどこまで戻すかについて、2回に分けて考察してみる。結論としては、146~147円以上へ戻す可能性は低いのではないか。
【為替】年末年始の米ドル/円を予想する
米金利が低下する中で、米ドル/円は12月28日に140円台まで下落したが、年末年始のタイミングで更に米ドル安・円高が広がるかについて、今回は考えてみる。 米金利と米国株の動向をにらみながら、米ドル下値波乱含みの展開を予想。1月第1週までの米ドル/円予想レンジは138~143円か。
【為替】大きく減り始めた米ドル買いポジション
大幅に米ドル買い・円売りに傾斜したポジションが、最近にかけて大きく縮小してきたようだ。背景には、年末にかけてのポジションの手仕舞いと、米ドル急落に伴う損失の影響がありそうだ。
【為替】米ドルは「押し目買い」か「戻り売り」か
米ドル/円は11月の151円から先週は一時140円台まで下落した。 依然として大幅な日米金利差がある中で、金利で優位な米ドルが安くなったところは買いの「押し目買い」が有効なのか。それとも少しでも高いうちに米ドルを売る「戻り売り」へ転換する必要があるかについて考えてみる。
【為替】円安151円の更新は2027年以降か
米ドル/円は2023年に2年連続で150円を越える上昇となったが、これまでのところでは僅かに2022年10月に記録した151.9円の米ドル高値、円安値の更新には至らなかった。 2022年10月に記録した米ドル高値、円安値を本格的に更新するのはいつになるのか。5年以上と、かなり先になる可能性もあるかもしれない。
【為替】円高130円に必要な米金利低下の条件
米金利が大きく低下する中で、米ドル/円は一時140円まで下落した。 米ドル/円がさらに130円まで下落するためには、米金利はどこまで低下する必要があるかについて考えてみる。
【為替】なぜ日本が動かなくても円高に戻ったか
米ドル/円は12月13日のFOMC(米連邦公開市場委員会)の後から一段安となり、一時140円台まで下落、この間の米ドル高値151円から10円以上も米ドル安・円高に戻してきた。 一時浮上した日銀の早期の金融緩和見直し観測は後退し、2022年の大規模な円安阻止介入に動くというような日本政府が自発的に円安是正に動いたわけでもない中で、なぜ米ドル安・円高に戻してきたかについて考えてみる。
【為替】FOMC連続利下げなら、円安再燃はなさそう
12月FOMC(米連邦公開市場委員会)を受け、米ドル/円は急落した。2024年中に3回の利下げ見通しが示唆されるなど、予想外に「ハト派」と受け止められたためだろう。 2023年は、一旦米ドル安・円高に動いたもののすぐに米ドル高・円安再燃となったが、2024年にFRB(米連邦準備制度理事会)が連続利下げに向かうなら、米ドル高・円安再燃の可能性はなさそうだ。
【為替】FOMCの為替への影響を考える
12月13日は、2023年最後のFOMCが予定されている。ではこれは、米ドル/円など為替相場へどう影響するか。最大の焦点は2024年の利下げ見通しではないか。
【為替】円高トレンドの「基本シナリオ」とは?
先週一時141円台まで米ドルが急落、この間の米ドル高値から約10円の米ドル安・円高となったことで、今回の米ドル高・円安は2022年10月の151.9円を更新できずに終わった可能性が出てきた。その意味では、2年連続で150円を越える円安となったものの、あくまで数字上は2022年10月151.9円から米ドル安・円高トレンドが展開していることになる。 では円高トレンドはこの先どんなシナリオになるのか。2000年以降の米ドル/円のトレンドを検証して考えてみる。
【為替】12月日銀会合でYCC撤廃はあるのか?
12月7日の植田総裁の「チャレンジング」発言などをきっかけに、日銀の大規模な金融緩和見直しが前倒しされる可能性があるとして円金利上昇、円急騰となった。これはさすがに過剰反応の可能性が高いのではないか。 ただし、10年債利回りに上限を設定しているYCC(イールドカーブ・コントロール)政策について、植田総裁も終了するチャンスと考えている可能性はありそうだ。