先週(9月28日週)の金(ゴールド)相場

米ドル建て金価格は、9月25日の4,285ドルから10月2日に4,141ドルへ下落し、週間では約3.4%安となった。CME金先物も3.6%安と、2週続けての値下がりとなった。下げは週明けの28日が最も大きく(約4.0%安)、終値は4,100ドル台前半と約2ヶ月ぶりの低さになった。

一方、円建て金価格は、米ドル/円が157.28円から157.85円へ円安方向に振れたことで、3.0%安となり、下落率は米ドル建てを下回った。

【図表1】先週(9月28日週)の金(ゴールド)相場
出所:Bloombergよりマネックス証券作成(金価格は1トロイオンスあたりの価格、円建て価格はUSD建て×米ドル/円で算出)

値動きの背景:米金利と米ドルの上昇を背景に続落

先週(9月28日週)の金は、米長期金利の上昇と米ドル高の流れが続くなか下落した。米10年実質金利は2.82%から2.91%へ上昇し、ドル指数も100.97から101.93へ上昇した。

週初は、トランプ米大統領がイラン側の和平案を拒否したことで、ホルムズ海峡を巡る供給不安が再び強まり、原油が上昇した。インフレ再燃への懸念から米長期金利と米ドルも上昇するなか、中国国慶節の連休入りを控えたアジア時間から売りが膨らみ、金は一時4,100ドル近辺まで下げた。

その後は、米金融政策を巡る思惑に振り回され、乱高下した。バーFRB(米連邦準備制度理事会)理事が追加利上げの必要性を訴える一方、ウィリアムズNY連銀総裁は急ぐ必要はないとの認識を示し、当局者間でも見解が分かれた。8月の米個人消費支出(PCE)物価指数、9月の米雇用統計が市場予想を下回ると、追加利上げ観測が後退し、金は4,200ドル台まで値を戻す場面も見られた。ただし、イラン情勢への警戒や中国の石油製品輸出抑制を背景に原油が再び上昇し、米10年債利回りも一時5.3%台まで上昇するなど、金利高と米ドル高が上値を抑えた。

弱い経済指標を受けても金の戻りは鈍く、長期金利と米ドルの高止まりが週を通じて重しとなった。

需給面の動き:金ETFの流出入は交錯、先物では売り建てが増加

代表的な金ETFであるSPDRゴールド・シェア[GLD]には、週間で約1.5億ドルが流入した。週内で最も大きかったのは急落した9月28日の約5.7億ドルで、以降は小幅な流出入が交錯し、方向感を欠いた。

【図表2】金ETF[GLD]日次純流出入(百万ドル)
出所:SPDRヒストリカルデータ、Bloombergよりマネックス証券作成

CFTC(米商品先物取引委員会)が10月2日に公表した9月29日時点のデータでは、CME金先物の投機筋(Non-Commercial)のロングは249,736枚と前週から4,246枚減り、ショートは2,975枚増えて31,104枚となった。差し引きの買い越しは21.9万枚と0.7万枚縮小し、8月上旬以来の低さでロングの減少は3週連続となった。

中国でも、国慶節の連休を前に上海先物取引所の金先物建玉が大幅に減り、持ち高の整理は米中双方で進んだ。

【図表3】CFTC金先物 投機筋ネット買い越し(直近12週、千枚)
出所:CFTC週次レポートよりマネックス証券作成

今週(10月5日週)の注目ポイント

今週の金(2026年10月5日週)は、FOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨を受けた追加利上げ観測の変化に加え、米イラン情勢を巡る原油価格の動向、米財政リスクを背景とした長期金利の行方が焦点となる。

まず、米金融政策では10月7日に公表されるFOMC議事要旨に注目したい。先週(9月28日週)のPCE価格指数や雇用統計が市場予想を下回り、10月の追加利上げ観測は大きく後退した。一方、クックFRB理事やバーFRB理事からは、原油高やAI投資を背景としたインフレへの警戒も示されている。議事要旨でタカ派的な議論が目立てば、米金利上昇と米ドル高を通じて金の上値を抑える要因となるだろう。反対に、追加利上げに慎重な姿勢が確認されれば、先週から続く金利高が一服し、金の反発を支える材料となりそうだ。

米イラン情勢では、カタールを介した協議が続いているものの、ホルムズ海峡の全面再開を巡って両国の隔たりが残っている。一方、中東からの原油輸出は回復しており、供給不安と実際の供給改善がせめぎ合う状況にある。対立が再び激化して原油高が進めば、先週と同様にインフレ懸念と米金利上昇を通じて金の重しとなる可能性がある。逆に協議が進展して原油価格が落ち着けば、インフレ懸念の後退が金利低下を促し、金を支えそうだ。

また、米長期金利の上昇が財政リスクへの警戒につながるかにも注目したい。巨額の財政赤字や国債発行増への懸念がくすぶるなか、今週(10月5日週)予定される米国債入札で投資家需要の弱さが確認されれば、長期金利が一段と上昇する可能性がある。通常、金利上昇は金の逆風となるが、その背景が金融引き締めから財政悪化や米国債への信認低下へ移れば状況は異なる。米ドル安を伴う金利上昇となれば、米国債や米ドルからの資金分散先として金が選好され、金利高と金高が併存する展開にも注意したい。

直近の金現物の価格予想レンジとして、上値は4,400ドル、下値は4,100ドルを意識する。