東京市場まとめ
1.概況
日経平均は大きく下落して取引を開始しました。寄り付きから、下げ幅を拡大した日経平均は一時、節目の63,000円を割り込み、62,726円をつけ、この日の安値を更新しました。人工知能(AI)・半導体関連銘柄が売られたものの、徐々に下げ渋り前引けは512円安の63,498円となりました。
後場は63,400円付近で横ばいに推移する時間が続き、後半にかけて徐々に下げ幅を縮小しました。今週は日米で中銀会合が控えており、方向感が定まらない展開が見込まれるなかで、最終的に518円安の63,492円で続落となりました。
TOPIXは29ポイント高の4,058ポイントで反発しました。新興市場では東証グロース250指数が17ポイント高の785ポイントで6営業日ぶりに反発しました。
2.個別銘柄等
富士通(6702)は7.4%高の4,026円をつけ、大幅反発となりました。12日、日本経済新聞は、同社が「人工知能(AI)向けの半導体の輸出を始める」と報じました。半導体輸出が新たな収益源として業績拡大につながるとの期待が思惑買いを呼びました。
ソフトバンクグループ(9984)は10.7%安の5,839円をつけ、大幅続落となりました。12日、同社が出資する米オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)が新規株式公開(IPO)について「2026年はしない」と述べたと伝わり、出資先の先行きへの警戒感が売りを呼びました。
オリエンタルランド(4661)は0.9%高の3,112円をつけ、反発しました。AI・半導体関連株が売られている一方で、内需株の代表格である同社に資金流入が見られたほか、同社は今年12月で上場30周年を迎えるのを記念し、9月30日時点で100株以上保有している株主には特別優待として、通常の株主優待制度でもらえるパークチケットに加えてもう1枚が贈呈されるとし、権利獲得を目的とした買いも入ったようです。
中部電力(9502)は3.6%安の2,885円をつけ、3日続落となりました。11日、日本経済新聞が、同社が「浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)3、4号機の再稼働審査を取り下げる方針を固めたことがわかった」と報じました。地震動データの不正など相次ぐガバナンス(企業統治)不全を受けたもので、原発の再稼働が見通せず、収益悪化への懸念から売りが出ました。
スーパーマーケットの肉のハナマサなどを展開するJMホールディングス(3539)は8.4%高の1,448円をつけ、3営業日ぶりに反発しました。11日、2027年7月期(今期)の連結営業利益が前期比22%増の110億円になるとの見込みと発表しました。併せて、発行済み株式総数(自己株式を除く)の3.81%にあたる20億円上限の自社株買いも発表し、株主還元の強化も買い材料となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
ソフトバンクグループの下落などが響き日経平均は0.8%安となりました。一方で、TOPIXは0.7%高、東証プライムは全体の約8割が上昇するなど地合いはそう悪くない印象です。
今週は日米で金融政策決定会合が予定されており、日本では利上げが既定路線、米国でも市場では高い確率で利上げが織り込まれています。注目されるのはそれぞれの総裁会見で、先行きの政策見通しなどのヒントが探られるものと考えられます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)

