対米ドル以上に協調介入前の円安に戻ってきた対ユーロ
7月末に日米の通貨当局が円買い介入に出動する前の円安値は、対米ドルでは163円台、対ユーロでは187円台に達していた。日米協調介入後の円高が一巡すると、その後対ユーロでは一時186円台まで、つまり協調介入前の円安値に1%未満まで接近した(図表1参照)。
協調介入後の対米ドルでの円安値はこれまでのところ159.7円なので、まだ協調介入前の円安値である163.9円からは2%以上離れている(図表2参照)。つまり、対米ドルと対ユーロでは、協調介入後の円安方向への戻り幅の差がかなり目立ってきたわけだ。
日本のユーロ売り介入なら史上初
日本の通貨当局による円安阻止介入は、これまでは米ドル売り・円買い介入だけにとどまっているとみられている。ただ7月末に行われたとみられる米当局の円安阻止介入は、米ドル売りではなくユーロ売りだったようだ。この先、米当局が行ったユーロ売り・円買い介入の水準を超えてユーロ高・円安が進みそうになるなら、それに対して日米当局はどのように対応するだろうか。
これまでに、日本の当局はユーロ/円で為替市場に介入した例はあったものの、確認できる限りではすべてユーロ買いだった。つまり円高阻止介入局面において、米ドル買い介入を補完する目的でユーロ買い介入を行ったと考えられる。そうした意味では、仮に円安阻止で日本の当局が米ドル売りだけでなくユーロ売り介入に動くなら史上初のことではないか。
米ドル/円以上に強いクロス円の円安
もっとも、すでに米当局がユーロ売り・円買い介入に動いたことを考えると、日本もそれを補強する形でユーロなど米ドル以外の通貨に対する円安、いわゆるクロス円の円安に歯止めをかけるべくユーロ売り・円買い介入に動く可能性はある。
ユーロ/円の5年MA(移動平均線)かい離率は2026年初めにかけて20%以上に拡大、足下でも15%程度となっており、米ドル/円の10%程度を上回るなど「上がり過ぎ」懸念が強い(図表3参照)。「行き過ぎ」の観点からすると米ドル高・円安以上に、ユーロ高・円安は円安阻止介入が正当化されそうな状況になっているとは言えそうだ。

