【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 42,587.50 △4.18 (3/25)
NASDAQ: 18,271.86 △83.26 (3/25)
1.概況
昨日の米国市場では、主要3指数がそろって小幅に3日続伸となりました。24日にトランプ政権が「相互関税」について、対象となる国や品目を限定する方針を示し、過度な警戒感が和らいだことが、引き続き相場を支える要因となりました。また、3月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数が市場予想以上に前月から低下となったことを受けて、米長期金利が低下したことも買いを誘いました。一方で、景気減速懸念がくすぶるなか、前日に600ドル近く上昇していたこともあり、上値の重い展開となりました。
52ドル高で取引を開始したダウ平均は、113ドル高でこの日の高値を付けると、その後は前日終値付近で一進一退の動きとなり、一時は141ドル安まで下落する場面も見られました。取引終盤にかけては買いが優勢となり、最終的には4ドル高の42,587ドルで取引を終えました。
また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は83ポイント高の18,271ポイント、S&P500株価指数は9ポイント高の5,776ポイントでそれぞれ取引を終えました。
2.経済指標等
3月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数は前月から7.2ポイント低下の92.9となり、市場予想を下回って4年ぶりの低水準となりました。1月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で20都市圏住宅価格指数は、前年同月比4.67%上昇となり、前回の4.52%を上回りました。また、2月の新築住宅販売件数は67.6万件となり、市場予想を下回ったものの、前回からは増加しました。3月のリッチモンド連銀製造業指数はマイナス4.0となり、市場予想と前回結果を下回りました。
3.業種別動向
S&P500の業種別株価指数は、全11業種のうちコミュニケーション・サービスや一般消費財・サービス、金融など7業種が上昇となり、特にコミュニケーション・サービスは1%超上昇しました。一方で、4業種が下落となり、特に公益事業やヘルスケア、不動産は1%超下落しました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では、30銘柄中18銘柄が上昇となり、特にウォルト・ディズニー[DIS]やアップル[AAPL]、ジェイピー・モルガン・チェース[JPM]、アマゾン・ドットコム[AMZN]、ゴールドマン・サックス[GS]は1%以上上昇しました。一方で、12銘柄が下落となり、特にメルク[MRK]は5%近く下落の大幅安となりました。また、ウォルマート[WMT]が3%以上下落したほか、アムジェン[AMGN]は2%以上下落、プロクター・アンド・ギャンブル[PG]やジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]、ナイキ[NKE]は1%以上下落しました。
ダウ平均構成銘柄以外では、包装製品やセルロース繊維を製造するインターナショナル・ペーパー[IP]が投資家説明会で新たな成長目標を公表したことが好感され、6.5%上昇してS&P500株価指数の値上がり率ランキングでトップとなりました。また、サイバーセキュリティ企業のクラウドストライク・ホールディングス[CRWD]とオンライン中古車販売のカーヴァナ[CVNA]は、いずれもアナリストによる投資判断や目標株価の引き上げを受けて3%以上の上昇となりました。テスラ[TSLA]も3.5%上昇し、5日続伸しています。一方で、貨物輸送大手のユナイテッド・パーセル・サービス[UPS]は、アナリストが第1四半期のEPS(1株当たり利益)見通しと目標株価を引き下げたことで5.1%下落してS&P500株価指数構成銘柄の中で値下がり率ワーストとなりました。
5.為替・金利等
米長期金利は前週末から0.02%低い4.31%となりました。ドル円は、149円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
昨日の米国市場で主要3指数がそろって小幅に3日続伸となった流れを引継ぎ、本日の日本市場は上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか、日経平均は3万8000円台回復に向けて25日移動平均線(37,781円、3月25日時点)を明確に上抜け、値固め出来るかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)