【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 38,386.09  △146.43 (4/29)
NASDAQ: 15,983.08  △55.18 (4/29)

1.概況

26日の米国市場はマイクロソフト[MSFT]やアルファベット[GOOG]の好決算を受けてハイテク株に買いが入り反発となりました。28ドル高でスタートしたダウ平均は直後にマイナスに転じましたが、20ドル安で下げ渋ると持ち直し午後には251ドル高まで上昇しました。その後伸び悩むと引けにかけてやや下げ幅を縮めましたが、引き続き堅調に推移すると結局153ドル高の38,239ドルで取引を終え3日ぶりに反発となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も316ポイント高の15,927ポイントと反発となっています。

昨日の米国市場はアップル[AAPL]やテスラ[TSLA]の上昇を支えに続伸となりました。42ドル高でスタートしたダウ平均は午後に入り166ドル高まで上昇した後伸び悩むとマイナスに転じましたが、24ドル安で下げ渋ると引けにかけて持ち直し結局146ドル高の38,386ドルで取引を終えています。また、ナスダック総合株価指数も55ポイント高の15,983ポイントとなっています。

2.経済指標等

26日に発表となった4月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値は77.2と速報値から下方修正され市場予想も下回りました。3月の米個人所得も前月比0.5%増となり市場予想を下回りました。一方で個人消費支出(PCE)は前月比0.8%増となり市場予想を上回りました。3月の米個人消費支出(PCE)物価指数も前年同月比2.7%上昇と前月から伸びが加速し市場予想も上回りました。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数も前年同月比2.8%上昇し市場予想を上回っています。

3.業種別動向

26日の業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が上げ、コミュニケーション・サービスが4%を超える上昇となり、情報技術も2%近く上げました。一般消費財・サービスも1%以上上昇しています。一方で5業種が下げ、公益事業とエネルギーが1%以上下落しています。

昨日の業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が上げ、一般消費財・サービスが2%高となったほか、公益事業と不動産も1%以上上昇しました。一方でコミュニケーション・サービスと金融の2業種が下げ、コミュニケーション・サービスは2%余り下落しています。

4.個別銘柄動向

26日の米国市場でダウ平均構成銘柄ではアマゾン・ドット・コム[AMZN]が3%を超える上昇となったほか、マイクロソフトも決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったことから2%近く上げました。一方でインテル[INTC]が決算で売上高が市場予想に届かなかったことなどで9%以上下げています。ダウ平均構成銘柄以外では、グーグルの持ち株会社であるアルファベット[GOOGL]が決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったことや、自社株買いに加え、四半期配当を始める方針を発表したことから10%高となりました。写真・動画共有アプリのスナップ[SNAP]も決算で売上高などが市場予想を上回ったことなどで急伸し27%を上回る上昇となっています。また、半導体株が高くエヌビディア[NVDA]が6%以上上げ、ブロードコム[AVGO]も4%近く上昇しました。マイクロン・テクノロジー[MU]も3%近く上昇し、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]とウエスタン・デジタル[WDC]も2%以上上げています。さらに半導体製造装置関連株も高く、決算で売上高などが市場予想を上回ったKLA[KLAC]が5%近く上昇し、アプライド・マテリアルズ[AMAT]も3%近く上げています。

昨日の米国市場でダウ平均構成銘柄ではボーイング[BA]が3%を超える上昇となったほか、アップルも投資判断の引き上げなどを受けて2%以上上げました。アムジェン[AMGN]も2%を上回る上昇となり、キャタピラー[CAT]とアメリカン・エキスプレス[AXP]、ベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]も1%以上上げています。一方でインテル[INTC]とユナイテッドヘルス・グループ[UNH]、マイクロソフト[MSFT]が1%以上下げています。ダウ平均構成銘柄以外では、中国で運転支援機能「フルセルフドライビング」の実用化への期待が強まったことでテスラが急伸し15%を超える上昇となっています。また、ドミノ・ピザ[DPZ]が決算で1株利益が市場予想を上回ったことから5%以上上げています。

5.為替・金利等

26日の長期金利は0.04%低い4.66%となりました。昨日の長期金利は0.05%低い4.61%となりました。ドル円は29日に乱高下となりました。約34年ぶりに一時160円台前半まで円安となる場面がありましたが、その後は大規模な円買いが断続的に入り154円台まで急速に円高に振れる場面があました。朝方は156円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が続伸となりダウ平均が26日と29日の2日間で300ドル高となったことから上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の38,000円を超えてどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。また、本日は日本時間の10時30分に中国で製造業と非製造業の購買担当者景気指数(PMI)が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)