8月23日 <プライド>
昨日の(というか今朝の)女子マラソンは中々見応えがありました。150センチ(実は140センチ台という話もありますが)、40キロの小さな身体で優勝した野口みずき選手には心からの喝采を送りたいと思いますが、野口選手を追うキャサリン・ヌデレバとポーラ・ラドクリフの表情には、中々考えさせられるモノがありました。自他共に認める世界最速女子マラソンランナーであるラドクリフは、恐らく重要なレースで自分より先を走られたことがないのでしょう。3〜4位に甘んじていた36キロ地点に於いて走ることを止め、涙を流しながら(しかし決してサングラスは取らず)また走り出したかと思うと、またすぐに座り込んでしまいレースを棄権しました。我々には計り知れない程の大きなショックが、プライドの破壊と共に起きていたのでしょうか。世界第2位の女子マラソン選手としての自負を持っているであろうヌデレバは、気丈に野口選手を追走し、一旦は1分近く離れた差をゴール前の数キロで10秒程にまで詰めましたが、力及びませんでした。ゴールに辿り着いた後、倒れ込んで悶え苦しんでいるようなヌデレバを見ると、やはり自らのプライドの為に、ギリギリまで闘っていたのでしょう。プライドはプレッシャーとなり、時に人を苦しめます。「プレッシャーと言うより使命感でした」と答えたのは柔道の鈴木選手だったでしょうか、使命感は達成されない時のショックも少なく、従ってプレッシャーも低く、且つ、より継続的な努力が出来るものでしょうか。オリンピックの様子は、人類の極限肉体性能のコンテストであると同時に、それぞれの選手の精神面の微妙な動きが、とても興味深いドラマだと思います。
プライド
松本大のつぶやき

- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 、マネックス証券 ファウンダー
- ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、その後代表執行役会長。2025年4月より会長(現任)。東京証券取引所の社外取締役を5年間務め、政府のガバナンス改革会議等に参加し、日本の資本市場の改善・改革に積極的に取り組んで来た。ヒューマン・ライツ・ウォッチの副会長を務め、現在は米国マスターカード・インコーポレイテッドの社外取締役。東京大学法学部卒業。
ご留意事項
本コンテンツは、情報提供を目的として行っております。
本コンテンツは、当社や当社が信頼できると考える情報源から提供されたものを提供していますが、当社はその正確性や完全性について意見を表明し、また保証するものではございません。有価証券の購入、売却、デリバティブ取引、その他の取引を推奨し、勧誘するものではありません。また、過去の実績や予想・意見は、将来の結果を保証するものではございません。提供する情報等は作成時現在のものであり、今後予告なしに変更または削除されることがございます。当社は本コンテンツの内容に依拠してお客様が取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。
本コンテンツでは当社でお取扱している商品・サービス等について言及している部分があります。商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、詳しくは「契約締結前交付書面」、「上場有価証券等書面」、「目論見書」、「目論見書補完書面」または当社ウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」をよくお読みください。
