アルゼンチンが遂に世界銀行に対する元本返済を行いませんでした。かつて南半球最大の経済として、第二次大戦前は世界第6位のGDPを誇ったこの国は、国内産業の国際競争力が低下したことと、人材と資本が国外に逃げたことを主な原因として、短い期間の間に崩壊しました。競争力が低下した最大の理由は、国民全員に受け入れられるような政治(ポピュリズム)を行う中で国営企業が乱立したため、民間企業の競争力が極端に低下したことです。
これはどこかの国にどこか似ています。また、人材や資本が国外逃避した理由はいろいろあるようですが、一つあまり言われないことに、「法治」の劣化があります。ルールが守られずに、国に対する信頼と尊敬が崩れる中で、国民は自分のお金をまず国外に持ち出し、次に自らまでも逃亡してしまったのです。今では多くの政治家、ビジネスマンなどがマイアミから活動をしています。本日衆議院では、代議士に私語を注意された代議士が「話していたのは俺だけじゃないだろう」と文句を言って紛糾し、午後の理事会が流会したそうです。これは法治とは違いますが、呆れるにもほどがあります。日本とアルゼンチンに共通点を見出してしまうのは私だけではないでしょう。
国破れて山河在り。山河ではなくて財政上の巨額の借金と、銀行、不良債権、政治家だけが残らなければいいのですが。
アルゼンチン
松本大のつぶやき

- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 、マネックス証券 ファウンダー
- ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、その後代表執行役会長。2025年4月より会長(現任)。東京証券取引所の社外取締役を5年間務め、政府のガバナンス改革会議等に参加し、日本の資本市場の改善・改革に積極的に取り組んで来た。ヒューマン・ライツ・ウォッチの副会長を務め、現在は米国マスターカード・インコーポレイテッドの社外取締役。東京大学法学部卒業。
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