7月以降の米金融政策判断は株価動向の影響が大きい?

7月以降の米金融政策は、客観的に見ると、米国などの株価の影響もかなり受けているようにみえる。7月29日のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、直前まで一部で利上げ予想もあったものの結果的には利上げは見送られた。これは株価が安値を更新し続ける中での判断だった(図表1参照)。

【図表1】日米の株価指数と米金融政策などとの関係(2026年7月~)
出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

7月FOMCでの利上げが見送られると、株価は反発に転じた。その後も株価の反発が続く中で、9月16日のFOMCでは利上げを決めた。それでも株価の上昇が続き、9月末にかけては10月FOMCでの連続利上げとの見方が有力になった。

さらに2回以上の追加利上げ予想は正しいのか

ところが、10月に入ると10月FOMCでの利上げ予想は後退に転じた。そして10月14日に発表された米9月CPI(消費者物価指数)は予想より強い結果だったものの、10月FOMCでの利上げ予想が再燃することなく、逆に利上げ見送りとの見方が決定的になった。それは、10月初めに株高が一巡、株安が再燃する中での出来事でもあった。

以上のように見ると、この間の米金融政策の判断には、やはり株価の動向がかなり影響している可能性がある。そうであるなら、10月も含め今後の米金融政策の見通しは株価の動向が鍵になる可能性があるだろう。

足下で、米2年債利回りは、政策金利のFFレート誘導目標上限の4%を0.7%程度上回った水準で推移している(図表2参照)。これは、FFレートの誘導目標がさらに0.25%ずつ2回以上引き上げられる可能性を織り込む動きだが、果たしてその通りになるだろうか。

【図表2】FFレートと米2年債利回り(2020年~)
出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

利上げから利下げへ見通しが急転換したITバブル崩壊局面

株安の拡大が、米金融政策をめぐる見通しが、利上げから利下げへ180度転換するきっかけになった代表例は2000年以降のITバブル崩壊局面だった。この中でナスダック総合指数は2000年3月から下落が始まり、最終的に2002年10月にかけて最大で8割の暴落となった。

そうした中で、FRBによる最後の利上げは2000年5月だった。そして株安が広がる中で、金利市場は2000年夏頃から「次の一手は利下げ」との見方に変わり、実際に2001年1月、FRBは利下げに踏み切った(図表3参照)。

【図表3】FFレートと米2年債利回り(1999~2002年)
出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

10月に入ってから、AI投資への悲観的な見方も広がり出した。金利市場が織り込むとおり、FRBの「次の一手」は利上げなのか、それとも利下げへの180度転換が起こる可能性もあるのか。それはAIバブルの崩壊など、株安の行方が大きな鍵を握るのではないか。