国内株式市場では、足元で小型バリュー株の優位が目立っています。2025年末を比較の基準とした2026年10月16日時点の騰落率を見ると、TOPIX Small Valueは22.4%上昇し、TOPIX500 Valueの19.8%、TOPIX500 Growthの18.9%、TOPIX Small Growthの13.1%を上回っています。大型・小型、バリュー・グロースの4分類のなかでも、小型バリュー株が最も高いパフォーマンスとなっています。

そこで今回は、小型バリュー株のなかから、割安さだけでなく業績成長も期待でき、足元では短期的な過熱感が後退している銘柄に注目しました。TOPIX Small Valueの考え方を参考に、TOPIX Small構成銘柄のうちPBRが低い銘柄を対象とし、今期の売上高と当期純利益がともに10%以上成長する見通しで、直近のRSIが40以下の銘柄を抽出しました。

<スクリーニング条件>
・TOPIX Small構成銘柄
・東証33業種分類のうち金融関連業種を除外
・構成銘柄の直近PBRが下位3分の1
・今期の売上高・当期純利益の成長率がともに10%以上
・直近のRSIが40以下

基準を満たした9銘柄のなかでも注目したいのが、KOA(6999)と東京エネシス(1945)です。
電子部品メーカーであるKOAの2027年3月期第1四半期は、売上高が前年同期比23.9%増、営業利益が70.2%増と大幅な増収増益となりました。北米向けや国内の産業機器向けに加え、アジア地域のAI関連機器向け需要が想定を上回ったことが業績を押し上げています。同社は好調な第1四半期業績を受け、通期の売上高予想を774億円から873億円、営業利益を28.3億円から53.6億円へ上方修正しました。年間配当予想も39円から63円へ引き上げています。
株価は年初来で58.0%上昇しており、既に業績回復を一定程度織り込んでいると考えられる一方、直近のRSIは39.4まで低下しています。PBRも0.9倍と1倍を下回っており、業績改善を背景に大きく上昇した同社株が、足元では短期的な調整局面に入っていると見ることができます。

一方、東京エネシスは、株価の上昇が相対的に限定されるなかで業績改善が進んでいる銘柄です。2027年3月期第1四半期は、売上高が前年同期比31.6%増、営業利益が73.8%増となりました。会社は通期で売上高950億円、営業利益73億円を見込み、それぞれ前期比14.3%増、54.1%増と大幅な増益を計画しています。
同社を取り巻く事業環境では、原子力発電所の再稼働に向けた安全対策工事や脱炭素関連の設備投資に加え、生成AIの普及に伴うデータセンター新設による電力需要の増加が追い風となっています。こうした需要を背景に電力供給インフラへの投資拡大が期待されます。一方、株価の年初来騰落率は9.1%にとどまり、PBRは0.9倍、RSIも39.3となっています。KOAと比べると株価の上昇は緩やかであり、業績成長に対する株価の反応が相対的に限定されている点が特徴です。

低PBR株は割安に見える一方で低い評価のまま放置される「バリュートラップ」にも注意が必要です。今回のように売上高と利益の成長見通しを組み合わせることで、単に割安なだけではなく、業績改善を伴う銘柄に対象を絞ることができます。さらにRSIを加えることで、短期的に買われ過ぎた銘柄を避けながら、小型バリュー株のなかから改めて投資機会を探してみてはいかがでしょうか。

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