TOPIX大再編!「厳選された986銘柄」へ
日本取引所グループ(JPX)は10月7日に、10月末(29日終値基準)に刷新するTOPIX(東証株価指数)について発表した。新たな組み入れ基準を満たす銘柄は9月末の1,636銘柄から、986銘柄に約4割減となる。ただし、選定基準を満たさなかった銘柄も直ちに除外されるわけではなく、2028年7月末まで段階的に組み入れ比率が引き下げられる。また、これまではプライム市場に限られていた採用銘柄について、スタンダード市場、グロース市場から合計35銘柄が新規に採用される。
なぜ銘柄を4割も減らすのか?東証が狙う「企業のレベルアップ」
TOPIXは1969年の算出開始で、多くの機関投資家や外国人投資家などがベンチマーク(投資基準)として採用している有力な指数である。市場関係者によると、TOPIXの値動きに連動するように運用している資金は、年金、投資信託など約161兆円に達するとしている。これまでは、東証プライム市場に上場するすべての銘柄が組み入れられていた。
これまでは一度TOPIXに入れば、株価が低迷しても企業の財務状態が悪くても、除外されることはなかった。このため、企業に経営努力を促すインセンティブが働きにくいとの指摘があった。また運用サイドから見ても、「必要のない銘柄まで組み入れることになる」との声が多かった。
こうした流れを受けて、東京証券取引所では採用基準の見直しに踏み切ることになった。具体的には浮動株時価総額や売買高を重視して選別し、投資家からの評価の低い銘柄を除外する。浮動株時価総額とは、親会社や創業家の持ち株、政策的な株式持ち合いなどの株式を除いた、市場で流通する株式をもとに算出した時価総額のことである。指数に市場の取引実態をより反映させることが目的だ。
除外された銘柄はどうなる?段階的にウェイトが低減、1年後に再評価
今回、TOPIXから除外されても一気にウェイトがゼロとなるわけではない。除外銘柄は2028年7月末まで8四半期をかけて段階的にウェイトが低減される。また、除外となる段階的ウェイト低減銘柄は、移行から1年後の2027年10月に再評価が実施され、継続基準を満たす銘柄については段階的ウェイト低減が停止されるルールとなっている。
現時点で条件を満たさない683銘柄は指数への組み入れ比率を段階的に引き下げ、2028年7月にゼロとする。2027年10月時点で基準を満たせば、組み入れ比率を50%にした状態で維持するとしている。
TOPIX改革がもたらす効果:上場企業が切磋琢磨し、指数の魅力向上に期待
今回の見直しの効果は大きい。JPXによると、2026年8月末時点で浮動株時価総額の中央値は約590億円だったが、2028年7月末には2倍強の約1600億円になる見込み。1日あたり売買代金も同約4.8億円から、同15.4億円と3倍超に増加する見通し。
銘柄入れ替えは毎年10月に行われることで、いったん除外されたとしても、経営改善や業績向上により浮動株時価総額を増加させ、また、売買代金を増やすことができれば、いつでも復帰のチャンスがある。上場企業が切磋琢磨することで、指数としてのTOPIXへの関心が高まることが想定される。
今回新規採用になった35銘柄の中で、大手調査機関が試算した新TOPIXへの購入インパクトが大きい銘柄を、スタンダード、グロースの上位各3銘柄をピックアップする。
新規採用、スタンダード市場の注目3銘柄(マクドナルド等)
日本マクドナルドホールディングス(2702)
世界最大のハンバーガーチェーンである米国マクドナルドの日本法人。ファストフードの国内最大手。全国に約3000店舗を展開。100株以上、1年以上保有株主に株主優待券を年2冊贈呈。バーガー類、サイドメニュー、ドリンクの引換券6枚ずつで1冊。保有株数に応じて冊数は増加する。
フェローテック(6890)
真空を保持しながら高速回転を伝えられる「真空シール」で世界首位。データセンターなどで、電気信号と光信号を相互に変換して効率的に通信するデバイスである「光トランシーバー」向けにサーモモジュール(温度制御)部材などを手掛ける。浮動株時価総額など形式基準でプライム市場への採用基準を満たす。
セリア(2782)
100円ショップで業界2位。ライバルが100円以外の高額商品を扱うのに対し、同社は100円均一の商品展開を基本としている。POS(販売時点管理)や自動発注システムで先行。「Color the days」(日常を彩る)がコンセプトで明るく清潔な店舗作りに特色がある。
新規採用、グロース市場の注目3銘柄(タクシーアプリGO等)
ジーエヌアイグループ(2160)
創薬ベンチャー。米国で開発、中国で製造を担当し、日本で上場。特発性肺線維症薬「アイスーリュイ」が業績をけん引。疼痛管理領域に強みがあるあゆみ製薬を買収し、完全子会社化。日本事業を強化。
GO(581A)
2026年6月に新規上場。タクシー配車アプリ「GO」が主力。配車アプリで最大手級。日本交通系とディー・エヌ・エー(DeNA)(2432)のタクシーアプリ事業が統合して誕生。米ウェイモや日本交通と組んで自動運転タクシーの開発を進める。上場による調達資金の多くも自動運転事業に充当。
トライアルホールディングス(141A)
郊外型大型ディスカウントストア「TRIAL」(トライアル)が主力。九州が地盤。小売りにテクノロジーを活用するリテールテックに注力。2025年7月に西友を買収。「TRIAL」との相乗効果を狙う。

