東京市場まとめ

1.概況

日経平均は647円高の66,128円と反発して取引を開始しました。前日の米国株式市場で半導体株が堅調に推移した流れを受けて、東京市場でも人工知能(AI)・半導体関連の株式などに対する買いが先行しました。買い一巡後にはもみ合い推移となり、837円高の66,318円で前引けとなりました。

後場に入ると株価指数先物の堅調な値動きを背景に現物に対する上昇圧力も強まり、上げ幅を拡大する展開となりました。最終的に1,272円高の66,753円で大幅反発となりました。

TOPIXは67ポイント高の4,108ポイントで反発、新興市場では東証グロース250指数が15ポイント高の800ポイントで反発となりました。

2.個別銘柄等

SUMCO(3436)は9.1%高の3,316円で大幅高となりました。一部の外資系証券が、AI投資の拡大に伴うシリコンウエハー需要の増加で、価格が上昇している点を背景に投資判断を引き上げたと報じられ、株価は上昇しました。

ソフトバンクグループ(9984)は6.6%高の6,430円と上昇しました。出資先のオープンAIに関する「少なくとも300億ドル(約4兆7200億円)の資金調達を計画している」との29日の報道を受けて、企業評価額の向上を期待する向きがありました。

テイクアンドギブ・ニーズ(4331)は17.2%高の867円と急騰しました。株主優待ポイント表に基づきポイントを進呈する株主優待制度の導入を29日に発表したことが好感されました。お米やブランド牛などのグルメ、スイーツや飲料類、銘酒、電荷製品、選べる体験ギフトに加え、電子マネーを含む5,000種類以上の商品から選択可能とされています。

アドバンスクリエイト(8798)は15.3%安の105円で大幅続落となりました。売上の前倒計上、実態の伴わない取引、費用の繰延べ及び資産の過大計上が行われていたことなどを理由に、日本証券取引所によって28日に、特別注意銘柄の指定及び上場契約違約金の徴求が公表されたことが引き続き嫌気されたものとみられます。

ダイナミックマッププラットフォーム(336A)はストップ高水準となる23.3%高の1,586円と大幅反発で取引を終えました。鹿島建設(1812)、三菱電機(6503)、セイノーホールディングス(9076)とともに参画する自動物流道路の社会実装に向けた実証実験が国土交通省事業に採択されました。物流分野では人口減少やドライバー不足を背景に輸送力の確保が課題となっており、無人化・自動化技術の活用が期待されています。自動物流道路は、貨物を小口・多頻度で安定的に輸送し、物流需要の平準化や他の輸送手段との連携を図ることで、物流の効率化と環境負荷の軽減を目指す構想とされています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均株価は大幅高となり、月間ベースで2ヶ月連続の上昇となりました。警戒感の高まっていた原油価格や本邦国債利回りもひとまず上昇一服となっており、市場心理の安定につながっているものとみられます。国債利回りという観点では、今晩発表される8月の米個人消費支出(PCE)物価指数が注目されます。市場予想によれば米コアPCE物価指数は前月比0.3%上昇と前月(同0.2%上昇)から伸びが高まる見通しです。

明日の日本市場は、同統計を手掛かりとした米国債利回りや米国株式市場の変動による影響を一定程度受けるものと見込まれます。

(マネックス証券 シニアアナリスト 齊藤 聡)