過去5回の金融政策決定会合では円高3回、円安2回

2026年の日銀金融政策決定会合は、これまで5回(1月23日、3月19日、4月28日、6月16日、7月31日)行われた。このうち会合が行われた日の米ドル/円が陰線(米ドル安・円高)引けとなったのは3回、そして陽線(米ドル高・円安)引けとなったのは2回だった(図表1参照)。

【図表1】米ドル/円の日足チャート(2026年1月~)
出所:マネックストレーダーFX
*注:白丸印は金融政策が発表された日

このように金融政策決定会合の当日に、円高となった回数が円安となった回数を1回とはいえ上回ったのは、日本の通貨当局による円安阻止姿勢の影響が大きかっただろう。5回の金融政策決定会合が行われた日のうち、1月23日は日米の当局が円安けん制の「レートチェック」に動いたことから米ドル/円は急落した。そして7月31日は、1998年以来の日米協調円買い介入が行われ、やはり米ドル/円は急落した。

また、4月28日は小幅ながら円安となったが、その2営業日後の4月30日にはこの局面で最初の日本の当局による米ドル売り・円買い介入が行われたことから、米ドル/円は急落した。

最も円高水準で日銀の金融政策発表を迎える米ドル/円

改めて、2026年これまでの金融政策決定会合が行われた日の米ドル/円レートを振り返ると、5回すべてが160円前後だったことが分かる。このため当局の円安阻止姿勢への警戒から円安も限定的にとどまり、実際に介入関連の動きがあった場合は大きく円高に振れたというのが、これまでの金融政策決定会合が行われた日の米ドル/円の動きだった。

そうした観点からすると、今回は2026年に入ってからでは最も米ドル安・円高となる、160円を下回る水準で金融政策決定会合が行われる見通しとなっている。米ドル/円が過去5回の金融政策決定会合よりも当局の円安阻止姿勢への警戒感が比較的弱い水準にあることから、円売りを試しやすい可能性はあるだろう。

「円高になる政策」を期待するベッセント=ヘッジファンドは円買いに動くか?

一方、米ドル/円と120日MA(移動平均線)との関係からは、逆の可能性も考えられる。2026年の過去5回の金融政策決定会合が開かれた日、米ドル/円はすべて120日MAを上回る米ドル高・円安水準で推移していたのに対し、今回は初めて120日MAより米ドル安・円高水準で金融政策決定会合が行われる見通しになっている(図表2参照)。

【図表2】米ドル/円と120日MA(2022年~)
出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

120日MAは、投機筋の代表格でもあるヘッジファンド(以下ヘッジF)の損益分岐点の目安とみられている。簡単な言い方をすると、120日MAを上回る米ドル高・円安水準で推移している時には米ドル買い・円売り取引で利益が出ている可能性が高いのに対し、逆に120日MAより米ドル安・円高で推移している場合は米ドル売り・円買い取引で利益が出ている可能性が高いということだ。

その意味では、今回は2026年に入ってから初めて、米ドル売り・円買いで利益が出やすい状況で日銀の金融政策発表を待つ見通しとなっている。ベッセント米財務長官から、「円高になる政策」への期待が繰り返し表明される中で、日銀は今回利上げに動くとみられているが、それにヘッジFが素直に円買いで反応する可能性にも注目したい。