金利差の影響が限られる米ドル/円
米ドル/円は、1年余り前から日米金利差(米ドル優位・円劣位)縮小を尻目に米ドル高・円安が広がり、金利差からのかい離が異例なほどに拡大した(図表1参照)。そうした関係が変わらないなら、今回のFOMCの結果を受けた日米金利差の変化が米ドル/円に影響することには限度がありそうだ。
日米金利差縮小を尻目に一時163円まで米ドル高・円安となった動きを正当化したのは日本の長期金利上昇だった(図表2参照)。長期金利上昇は、日本の財政規律への懸念を受けた結果とされた。
以上のように見ると、今回のFOMCの結果も、その米ドル/円への影響を考える上では、日米金利差へどう影響するかより、日本の長期金利へどう影響するかが、重要な意味になるのではないか。
日米長期金利上昇加速「悪い円安」拡大シナリオは一旦回避
日米の長期金利は、世界一の経済大国の米国の長期金利に、日本の長期金利も連動することが基本と考えられている。ただ、最近は日本の長期金利に対する米長期金利の「上ぶれ」が目立っていた(図表3参照)。
今回のFOMCでは、トランプ米大統領からの利下げ要請を受けて利上げを見送った場合、インフレ懸念が拡大し、米長期金利上昇が加速する懸念もあったが、結果的にそれは回避された。FOMC終了後、米ドル/円は156円台へ一段高となったが、日米の長期金利の上昇加速による、いわゆる「悪い円安」拡大シナリオは一旦回避されたということではないか。
株安拡大なら円キャリー取引解消で円買い戻しも
もう1つの注目は、今回のFOMCの結果を受けた株価の動きだ。6月下旬にかけて世界的な株高が続く中で米ドル高・円安も展開してきた(図表4参照)。これは、株買いの一因として、低利で安く調達した円を売って株に投資する、いわゆる円キャリー取引の影響を感じさせる。
今回のFOMCを受けて米国株はNYダウが600米ドル以上の急落となった。この先株安がさらに広がるようなら、円キャリー取引の解消で円買い戻しが広がる可能性も出てくるのではないか。

