金利上昇下での投資戦略:高配当×出遅れ×質の見極め

・長期金利が3%超、原油(WTI)100ドル超でインフレ懸念が強まり、株式の相対的魅力は低下。環境下では銘柄の絞り込みが重要だ。

・配当利回り4%以上を起点に、直近3ヶ月のモメンタムが弱い(出遅れ)銘柄に着目。9月28日の中間配当の権利付き最終日が近く、短期需給の追い風も見込める。

・減配や株価下落に備え、ROE5%以上、増益見通し、PBRが過度に割高でないことなど業績・バリュエーションでフィルタを実施。条件を満たす具体例として3銘柄を提示した。

資金フローの変化とスタイルの偏り

・個人向け国債の利回りが約2%となり人気が高まった。2026年1~8月の発行額は6兆円超で前年同期比1.7倍となり、債券への資金シフトが進行した。

・株式への資金流入が細りやすく、相対比較では利回り重視が強まる。グロース株よりもバリュー株・高配当株へ資金が向かいやすい。

・米国・日本とも金利上昇基調で、9月17日・18日の日銀会合を控え様子見ムードが広がりやすい。株式の上値は重くなりやすい一方、利回り比較で優位なセクターが意識される。

データで検証する株式の相対的魅力(イールドスプレッド)

・株式益回り(EPS/株価)は最新で約5.87%。国債利回りとの比較では、イールドスプレッド(国債利回り-株式益回り)はマイナス圏で、平均的には株式の相対的魅力が残る。

・ITバブル期(1999~2000年)や資産バブル期(1989年)はイールドスプレッドがプラスに転じ、株式の相対的魅力は低下していた。例として1989年は10年国債利回り5.16%、株式益回り1.64%で差は+3.52%と大きなプラスだった。

・シミュレーションでは、日経平均が7万2000円まで上昇し、さらに利上げ2回で長期金利が3.5%となる想定でも、イールドスプレッドは約-1.68%となり、株式の相対的魅力はなお残る。