8月の米国株式市場の振り返りと現在の相場見通し
・2026年8月は、特に大型テクノロジー銘柄の強さが目立つ1ヶ月となった。
・9月以降の相場は、中東情勢の不透明感や経済指標次第の金融政策、トランプ氏の発言など不確定要素が多いものの、企業業績が非常に堅調であるという安心材料がある。
・第2四半期の企業業績は前年同期比33.8%の増益となり、第1四半期の30%増益から勢いが継続している。
・テクノロジーセクターを中心に決算発表が予想を上回り、第3四半期も24.3%の増益が見込まれるなど上方修正が続いている。2027年や2028年の業績予想も引き上げられており、最終的に株価を決める企業業績が相場の支えとなる。
米国株を支える3つの要因
・1つ目は、前述の通り企業業績が非常に堅調であることだ。
・2つ目は、ETFへの資金流入が過去最高ペースであり、企業の自社株買いも8月までの累計で1兆ドルを超え過去最大となるなど、需給が非常に良好であることだ。
・3つ目は、個人投資家が慎重な姿勢を保っていることだ。
・過度な期待感だけで株価が上昇しているのではなく、強い業績を確認しながら買いが入っていることが相場の土台を強くしている。米国個人投資家協会のブルベアレシオも中立的であり、投資家がマーケットを慎重に見ていることがわかる。
金利上昇と株価バリュエーションへの見方
・グローバルでの債券利回り上昇の背景には、巨額の財政赤字や政府債務、利払い費増加への懸念、原油高によるインフレ圧力や金融引き締め継続への見方がある。
・現在の金利水準は経済活動を直ちに阻害するほど高くはなく、金融危機後の低金利からの正常化という側面もある。米国の第2四半期名目GDPの成長や企業業績の2桁成長を踏まえると、金利上昇だけで悲観するには及ばない。10年債利回りが5%を超えれば魅力的な水準となり投資家の需要が入りやすくなるほか、市場が不安定になれば財務省が短期国債を発行して長期国債を買い戻すなどの安定化策を講じる可能性が高い。
・S&P500の予想PERは19.2倍に低下し、PEGレシオも0.75と過去30年で最低水準にあり、株価には割安感がある。
・今後は実際の決算発表が、アナリストの強気な予想を上回り続けられるかがポイントとなる。
マグニフィセント・セブンの動向
・2026年は年初からマグニフィセント・セブン(マグ7)以外の銘柄が相場を支える局面が目立っていた。しかし直近の1週間では、マグ7に投資するETFが1.3%上昇したのに対し、マグ7を除くS&P500のETFは0.7%下落した。再びマグ7が見直される展開が起きており、相場の主役が本格的に変わるか注目される。
9月および年末に向けたアノマリー(季節性)と今後の展望
・歴史的に9月のアメリカ株は弱く、1928年以降S&P500は約53%の確率で下落し、平均騰落率はマイナス1.2%となっている。9月前半は上昇確率が46%(ナスダック100は54%)だが、後半は下落時の値幅が大きくなる傾向がある。10月に入るとS&P500の上昇確率は64%に高まり、テクノロジー株も持ち直しやすくなる。
・中間選挙の年である2026年は、第3四半期に方向感が出にくい傾向がある。ただし、過去に上半期で5%以上上昇した中間選挙の年では、第4四半期にS&P500が上昇した確率は100%であり、平均リターンも8.3%に達している。2026年の上半期は9.6%上昇しており、歴史的な傾向に従えば第4四半期は上昇する可能性がある。
・9月初めの時点でS&P500が200日移動平均線を上回っており、企業業績も良いため、今年は例年の9月ほど大きく下落しない可能性がある。一方で、地政学的な緊張や、トランプ氏の想定外の行動によって市場が一時的に不安定になる可能性には注意が必要だ。

