長大陰線を突破した米ドル/円
米ドル/円が、じり高基調です。2026年の日足チャートをみると、1月に1ドル=160円近くからの連続陰線による円高への強い変動、また政府・日本銀行による円買い・ドル売りの為替介入で形成された4月30日の、お化けのような長大陰線が特徴的です(図表1)。しかし、中長期のトレンド(骨太のトレンド)が円安方向を向く中、そのような一時的な円高への動きは、むしろ当面の円安方向への動きを強化させる要因になりやすいといえます。
株式市場でも考え方は同じです。上昇トレンドの局面でも適度な空売りが入らないと、ピークから下落が始まっても買い戻しが入らず、買い方の見切り売りなどが下げを加速させ、上昇トレンドがすぐに崩れてしまうケースが多いといえます。
米ドル/円は、4月30日のお化けのような長大陰線を上回った6月18日時点で、米ドル高・円安が一段と進みやすくなったということになります。4月30日の陰線に比べると短いものの、7月2日の陰線を上回ったことも円安加速の大きな要因となるでしょう。
米ドル高・円安による上方修正期待が株高の要因に
7月27日の株式市場ではプライム市場の値上がり銘柄数と値下がり銘柄数を比べると、値上がり銘柄数が圧倒的に多かったです。内訳としては、主にAI半導体株が下落し、非AI半導体株の上昇が目立ちました。
市場全体では非AI半導体株の銘柄数のほうが多いのですが、7月27日の動きをみると、日本株全体では米ドル高・円安を好感する流れになってきた気がします。この流れが続けば、日本株が一段高となるきっかけになることが予想されます。非AI半導体株が物色されるために必要なのは業績要因だけであり、米ドル高・円安による上方修正期待が株高の要因になり得るはずです。
米ドル/円の長期チャートを眺めると、大きな高値目標は1ドル=170円台にみえます。2024年4月16日のコラム「米ドル/円も新ゾーンに突入」の中で解説したように、2022年10月高値(151.94円)からの円高幅に対して倍返しとなる水準として、176.67円付近が挙げられます。
この水準は、2011年10月安値(75.55円)を起点としたN字波動のE計算値に相当する重要な水準です。E計算値とは、一目均衡表の均衡点(目標値)を見つけるための1つの計算法です。他に、N計算値やV計算値、NT計算値もありますが、E計算値は中でも最も高く算出される計算法です。
米ドル/円のE計算値を具体的な数字で示すと、2011年10月安値(75.55円)から2015年6月高値(125.85円)まで円安に動いた値幅を、2015年6月高値を起点に、同じ値幅を円安方向に当てはめた176.15円となります(図表2)。

