半導体関連株が沈む中、異彩を放つBTC(ビットコイン)

中東情勢が緊迫化し、直近1週間は世界の半導体関連株が軒並み下落しました。一方、BTCは驚くほど底堅く推移し、2026年6月末~7月初旬にボトムを打って以降、徐々に下値を切り上げる値動きが目立ちます。

特にBTCとETH(イーサリアム)は堅調で、株式市場から暗号資産市場へ資金の一部が回帰しているかのような値動きです。現物市場からの短期的な資金流出が一巡しつつある可能性があります。現在は、デリバティブ市場で断続的にショートカバーを誘発しながら、買いが優勢な状況が続いています。

原油価格は高騰し、目先も高止まりする可能性がありますが、暗号資産は下落基調に転じていません。中東情勢を警戒した逃避資金の一部が流入している可能性も否定できませんが、現時点で断定するのは難しいでしょう。長年トレードを続けてきた筆者から見ても、株式市場との温度差が目立つ、やや不思議な値動きです。

BTC(ビットコイン)、上昇トレンドラインに沿った推移が続くか

BTC/JPY日足チャート:BTC(ビットコイン)はアセンディング・トライアングル完成へ

BTC/JPY日足チャート分析です(図表1)。中東情勢の悪化に対する下値反応は限定的で、この週末も短期足では乱高下しながら、徐々に上値を切り上げました。MACDもゼロラインを明確に上回りつつあり、上値のレジスタンスラインを突破すれば、アセンディング・トライアングルが完成する形です。今後は、上昇トレンドラインに沿った推移が続くと考えます。

【図表1】BTC/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

次の上値の目標はSMA90(水色)です。7月13日付「【暗号資産】中東情勢下でもBTC(ビットコイン)とETH(イーサリアム)は堅調、上値ブレイク待ちか」で示した見通しの通り、現時点では上昇方向を意識した展開が続くと予想します。ただし、レジスタンス付近では一時的な反落にも注意が必要です。

BTC/JPY 4時間足チャート:並行チャネルレンジで推移中

BTC/JPY4時間足チャート分析です(図表2)。並行チャネル内で、リズムよく推移しています。

【図表2】BTC/JPY 4時間足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

1075万~1085万円付近では再び上値を抑えられる可能性があるため、上昇した局面では保有ポジションの20%程度を一部利食いする選択肢も考えられます。

その後は、押し目で買い直す戦略を繰り返すイメージです。SMA90(水色)がサポートとして機能しやすく見えるため、浅い調整であればSMA90付近からの反発を確認して拾う方法もあるでしょう。MACDに目立った過熱感は見られません。

現状のリズムを維持できる限り、押し目買いと一部利食いを組み合わせたトレードが機能しやすい局面とみています。

ETH(イーサリアム)は2026年のボトムアウトの可能性か

ETH/JPY日足チャート分析です(図表3)。

BTCを上回るペースで上昇しているETHは、先週(7月13日週)も直近高値を更新しました。現物市場の資金フローが比較的しっかりしていることが、上値を追いやすい展開につながっているのかもしれません。

足元ではSMA90(水色)に差し掛かっており、今回が2度目の上抜けトライです。前回よりも売り圧力を吸収できていれば、今回は突破する可能性もありそうです。

ここを明確に上抜ければ、次はSMA200(橙)に向けて上値を伸ばす展開が視野に入ります。一方、SMA90付近は戻り売りが出やすい水準でもあるため、この水準では一部利食いを検討してもよいでしょう。

【図表3】ETH/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

4年前の2022年も、ETHは6~7月に安値圏を形成し、その後反発に転じました。今回の反発が大きなものとなれば、秋に再び調整局面が訪れたとしても、その下落を耐え抜き、BTCに先行して4年サイクルの底打ちを実現する可能性があります。ただし、過去のサイクルと同じ展開になるとは限らないため、35万円の上抜けと定着を確認したいところです。

2026年8月中に35万円を明確に上抜けられるかが、今後のトレンドを判断するうえで重要なポイントになりそうです。

今週(7月20日週)の暗号資産(BTC・ETH)動向のポイント

・中東情勢の緊迫化や半導体株の下落、原油高が続く中でも、BTCとETHは底堅い値動きを維持している。
・BTCの日足はアセンディング・トライアングル形成が意識され、上抜け後はSMA90が次の上値目標となる。
・BTCの4時間足は上昇チャネル内で推移しており、1075万~1085万円付近では一部利食いと押し目買いの組み合わせが有効と考える。
・ETHはBTC以上に強く、SMA90突破後はSMA200が視野に入る。8月中に35万円を明確に上抜けられるかが重要な判断材料となる。