粗利(売上総利益)に注目する理由と成長株分析の基本軸

・粗利は売上高から売上原価を差し引いた利益で、販管費(販売費および一般管理費)を引く前の段階の稼ぐ力を示す。製品・サービスの付加価値の高さを最も素直に映す指標である。

・成長局面では人件費や減価償却費などの販管費が先行増加しやすく、営業利益の伸びが抑えられる場合がある。粗利を見ると本業の付加価値創出の実力を把握しやすい。

高粗利を生む条件と具体例

・技術優位やブランド力があると価格を下げずに売れ、高付加価値製品が増える。これが売上原価率の低下=粗利率の上昇につながる。

・TDK(6762)を例に挙げると、データセンター向けHDD用磁気ヘッドなど高性能製品を背景に粗利率が約31%と高水準で、電子部品業界の一般的な水準(約20%)を上回る。

・成長株選定では「売上の伸び」「粗利の伸び」「粗利率」の3本柱で定量確認する狙いで、まず売上の拡大、次に高付加価値(粗利・粗利率)の裏付けを重視する。

・売上の伸びと粗利(額・率)を併用して、規模拡大だけでなく付加価値成長を確認することで、持続的成長の質を点検する。

スクリーニング基準と結果の傾向

・4条件:①粗利の伸び:[四半期]直近四半期の売上総利益(粗利)が前年同期比プラス、②粗利率:[通期]直近の売上高総利益率(粗利率)が過去3年平均を上回る、③売上の伸び:[来期コンセンサス]来期の増収率が今期より高い(今期も最低約3%)、④売上の伸び:[来季コンセンサス]来期の営業増益率が今期より高い(今期5%以上・来期10%以上を目安)。

・過去検証では市場平均に対して超過パフォーマンスを示し、粗利と売上の「伸びの加速」を捉える設計が寄与した。

・直近の抽出結果ではTDKが首位。全体としてデータセンター・半導体関連の比重が高く、例として関電工(1942)、住友大阪セメント(5232)、ダイフク(6383)、荏原製作所(6361)、リクルートホールディングス(6098)、GMOペイメントゲートウェイ(3769)などが挙がった。