新NISA開始から1年が経過しました。日本証券業協会の調査によると、購入資金の多くは金融資産の売却よりも新規資金によるもので、1銘柄も売却していない人が約8割という結果でした。この1年は夏場の急落などありましたが、長期運用を意識する傾向が見られています。

つみたて投資では大半が損益プラスとなり、なかでも金融経済教育の経験が損益に寄与している可能性が指摘されています。金融リテラシーについての質問は、過去の類似調査に比べてその経験者の比率が高くなっており、知識を伴う投資の広がりとともに、パフォーマンスにも寄与しているのは良い傾向です。

長期・分散・積立は安定した資産形成に寄与するものです。また資産運用は、投資を通じて知識を深め、視野を広げる機会にもなります。市場の変動やリスクと向き合いながら、長期的な視野を持ち、自分に合ったスタイルで運用を続けることが大切です。

一方で、金融リテラシーの向上とともに詐欺も急増しています。AIの活用により手口が多様化・巧妙化するなか、対策が急務です。投資では「リターンはリスクの対価」とされ、リターン獲得にはリスクが伴いますし、容易に儲かる話は無いものです。被害を防ぐには、正しい知識と慎重な情報確認が大切でしょう。