現在のファンダメンタルズ:予想通りFOMCは現状維持で無風通過、ECB理事会では0.25%の利下げ
先週(1月27日週)のレンジと終値(マネックストレーダーFX のBidレート)
・米ドル/円:153.715円~156.245円 155.191円
・ユーロ/米ドル:1.03501ドル~1.05328ドル 1.03583ドル
・ユーロ/円:159.916円~163.454円 160.749円
先週(1月27日週)の米ドル/円はDeepSeekショックから始まりました。
DeepSeek自体は2024年11月末頃から既に話題となっていて、Open AIを超える性能を持っているのではないかと言われていました。そして先週(1月27日週)初めにスマホ版のアプリでランキング1位となったことから改めて注目を浴びることに。その開発の低コストと比較し、巨額投資を行う米国のAI関連企業や半導体企業への懸念から株価が急落。特にエヌビディア[NVDA]の下げ幅は大きく前週末比で17%下落し、1日で時価総額が約91兆円も減少しました。この金額はトヨタ自動車(7203)2社分に相当するため、いかに影響が大きかったかがわかります。
米国株式市場のリスクオフの動きが為替市場では円買いにつながり、1月27日の安値は153.715円レベルと2024年12月18日以来の円高水準となりました。その後、株式市場も落ち着きを取り戻し、為替市場もFOMC(米連邦公開市場委員会)を前に米ドル買い戻しの動きとなり、翌日には156円近い水準まで戻しました。しかしFOMCが予想通りの現状維持で無風通過となったこともあり、改めて円高をトライする動きに繋がり、153円台に入ったものの週初の安値はトライできず、月末の実需の米ドル買いの動きも手伝って155円台での引けとなりました。
ユーロ/米ドルは週初の米ドル大幅安の動きから一時1.05328レベルの高値をつけたものの、円高の動きがユーロ/円でも見られたことから対ユーロでの米ドル売りの動きは限定的なものとなりました。その後ECB(欧州中央銀行)理事会に向けてポジション調整によるユーロ売りが進み、ECB理事会では予想通り0.25%の利下げとなりましたが、ラガルドECB総裁会見において、利下げ継続への言及があったことから改めてユーロ売りとなり、週末に向けては実需の米ドル買いの動きも重なり1.03台半ばへと下押しして引けました。
米ドル/円、週足ではサポートライン上での引け
長期的な判断は週足で行いますので、まずは週足チャートをご覧ください。

・上昇トレンド=週足終値が移動平均線の上にある
・下降トレンド=週足終値が移動平均線の下にある
トレンド転換の判断はダマシを排除するため、2週連続で移動平均線を上回るか、下回った時にトレンドが転換したという見方をします。
週足チャートでは終値と移動平均線の位置関係に変化は見られず上昇トレンド継続中のままですが、ここ2週間ほど警戒していた2024年夏以降の上昇ウェッジの下側のサポートラインをローソク足が下抜けるかどうか、下降トレンドに転換する際の最初の注目ポイントを見極める週となりました。結果は週足では終値がサポートライン上での引けとなり、下ヒゲでのみでの下抜け段階という位置づけです(図表1)。
しかし、着実にドルの上値が重たくなってきていること、日足ではこのサポートラインを下抜けたことから、今後は米ドル買いよりも米ドル売りでの回転がワークしやすく、大きく動く場合にも米ドル売りという展開が増えてくると考えています。
米ドル/円チャート(日足)、サポートライン下抜け、デッド・クロスも発生
短期的な判断は日足で行います。

・買いシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を下から上に抜くGC
・売りシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を上から下に抜くDC
日足チャートの判断では、週足チャートで解説したサポートラインの下抜けが明確に起きていて1月27~29日の週前半はサポートラインを挟んで上下を繰り返していましたが、その間にもサポートラインが上昇してきたこともあり、30、31日はサポートラインの下での推移となりました。抜けたサポートラインはレジスタンスラインとなるので、今週(2月3日週)はこれまでの上昇ウェッジのサポートラインの下での動きになってくると考えます(図表2)。
また、始値・終値移動平均線も最終的に1月29日終値でデッド・クロスが発生したので、しばらくは米ドル/円は戻り売りを考えることが良さそうです。今週(2月3日週)は週末に米国雇用統計もありますが、米国による追加関税発動は金利上昇以上に米国景気に与える悪影響が懸念されると見ていますので、戻り売りに加え先週安値を下抜ける際には積極的な売り仕掛けを考えても良いかもしれません。思いのほか早いタイミングで大台150円をトライする局面を目にするのではないでしょうか。
ユーロ/米ドル、長期トレンドはユーロ売り、短期トレンドはユーロ買いの方針継続
ドイツ、フランスでマイナス成長、ドイツ総選挙も悪材料か
今週もユーロ/米ドルのチャートから見ていきます。


週足チャート(図表3)は目立った変化はありませんが、日足チャート(図表4)では1月30日にデッド・クロスとなったことで長期トレンドと一致、改めてユーロ売りを狙いやすくなったと思います。先週発表されたGDP速報値においてドイツとフランスがマイナス成長となったことで次回3月だけでなく4月以降もECBが連続利下げに動く可能性が高まってきました。
ユーロ/円は、デッド・クロス発生でユーロ売りシグナルに
次にユーロ/円のチャートです。

ユーロ買いのトレンドが継続しているものの、最近は週替わりで移動平均線を上下する動きとなっていて、単に2週連続ルールとならないので買いトレンド継続という判断です。しばらくの間、長期トレンドはダマシが発生しやすい流れにあるため、レジスタンスラインとサポートラインによるトライアングル(三角もちあい)をどちらに抜けるのかに注目していた方が良いでしょう(図表5)。

日足チャートでは1月29日にデッド・クロスが発生したことでユーロ売りに転じました(図表6)。
米ドル/円、ユーロ/米ドルの動きと並べて見ると、現在は3主要通貨ペアともに下方向への動きを模索している段階ですが、日欧金利差縮小や欧州での景気悪化状況などを考えると、長期的にはユーロ/円の売りが一番やりやすいと個人的には考えています。
それでは今週も良いトレードを!