規格外の成長が続くパランティア・テクノロジーズ[PLTR]、米民間部門売上高が政府部門を逆転し、純利益2.4倍
2026年7-9月期決算:売上高が前年同期比96%増
パランティア・テクノロジーズ[PLTR]が発表した2026年7-9月期決算は売上高が前年同期比96%増の23億1300万ドル、純利益が前年同期の2.4倍に当たる11億2800万ドルでした。調整後EPS(1株当たり利益)は0.44ドルとなり、LSEG(ロンドン証券取引所グループ)がまとめた市場予想の0.41ドルを7.3%上回っています。
四半期決算で売上高が20億ドルを超えるのは初めてです。米国事業の売上高が119%増の19億3700万ドルに達し、売上高を押し上げました。企業による人工知能(AI)ツールの導入需要が急速に高まる中、米国の民間部門売上高が148%増の9億8400万ドルに急増し、初めて米国政府向け売上高(前年同期比96%増の9億5300万ドル)を上回っています。
また、1000万ドル以上の大型契約64件を含む合計212件の大口契約を締結するなど受注も好調です。さらに将来の売上高を示す先行指標も極めて高い水準を維持しており、米国民間事業における残存契約価値は79%増の65億1700万ドルに達しています。
好業績の要因は「AI主権」への移行
パランティアは基幹プラットフォームの「ファウンドリー」や「オントロジー」に加え、AIモデルと業務ワークフローを統合する「AIP(人工知能プラットフォーム)」といったソフトウエアを開発しています。
アレックス・カープ最高経営責任者(CEO)は今回の業績について「AIソフトウエアの歴史において、これほど一貫した業績を上げた例はない」とコメントしています。好業績の要因については、各機関や企業が自前のデータやAIインフラを管理・運用する「AI主権」への移行を重視している点を挙げています。高度なデータ統合と自動化を可能にするソリューションへの需要が急速に拡大しているという見立てです。
ガイダンス:2026年12月通期売上高を上方修正
決算発表時に示したガイダンスでは、2026年12月通期の売上高を85億3000万-85億3400万ドルと予想し、8月に示した81億5000万-81億5800万ドルから引き上げました。調整後営業利益の予想は52億4500万-52億4900万ドルで、8月に示した48億8900万-48億9700万ドルから上方修正しています。
2026年10-12月期の売上高については26億4900万-26億5300万ドルと予想しています。
アドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]、AI半導体事業が好調
2026年7-9月期決算:売上高が前年同期比45%増
米半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]が発表した2026年7-9月期決算は売上高が前年同期比45%増の133億7700万ドル、純利益が95%増の24億2800万ドルでした。非GAAP(米国会計基準)ベースのEPSは2.09ドルとなり、LSEGがまとめた市場予想の1.95ドルを7.2%上回っています。
セグメント別業績:データセンター部門の売上高97%増
好業績を支えたのは、人工知能(AI)開発に利用する半導体チップへの旺盛な需要です。こうした需要を背景にデータセンター部門の売上高は97%増の85億4600万ドルに達し、過去最高を更新しました。営業利益は2.7倍の28億8200万ドルです。AIアクセラレータ「AMD Instinct」シリーズやサーバー用CPU「AMD EPYC」の販売が極めて好調で、アンソロピックやメタ・プラットフォームズ(META)、マイクロソフト(MSFT)、オープンAI、オラクル(ORCL)などの大手企業がAIインフラとして採用を拡大したことが背景にあります。
パソコン用プロセッサーを含むクライアント部門は売上高が7%増の29億4900万ドル、ゲーミング事業の売上高は40%減の7億7300万ドルと苦戦しました。メモリーやストレージの不足に伴う価格上昇が顧客需要を抑制し、コンソール向けセミカスタムチップなどの売上高が減少しています。クライアント・ゲーミング部門の営業利益は34%減の5億7300万ドルにとどまっています。
リサ・スー最高経営責任者(CEO)は「InstinctとEPYC製品への需要は増え続けており、第4四半期には成長がさらに加速すると見込んでいる」と述べています。
ガイダンス:2026年10-12月期の売上高見通しは前年同期比で66%増
決算発表時のガイダンスでは、2026年10-12月期の売上高見通しを170億ドル(前後3%)に設定しました。前年同期比で66%増となります。また、調整後の粗利益率は55%と想定しています。
アッヴィ[ABBV]、主力の免疫疾患治療薬が着実に成長
2026年7-9月期決算:純利益が前年同期比22.7倍
米製薬大手アッヴィ[ABBV]が発表した2026年7-9月期決算は売上高が前年同期比10%増の174億400万ドル、純利益が22.7倍の42億1800万ドルとなりました。非GAAP(米国会計基準)ベースの調整後EPSは3.82ドルとなり、LSEGがまとめた市場予想の3.748ドルを1.9%上回っています。
好決算の主因は、特許切れを迎えた主力薬の減収を補って余りある新世代の免疫疾患治療薬や神経科学分野での旺盛な需要です。
セグメント別業績:免疫疾患部門の売上高は前年同期比16%増
主力事業である免疫疾患部門の売上高は前年同期比16%増の91億6500万ドルに拡大しました。中でも皮膚・消化器疾患治療薬の「スキリージ」は23%増の57億7600万ドルに伸び、全体を押し上げています。関節リウマチや乾癬性関節炎の治療薬「リンヴォック」は24%増の27億600万ドルと好調でした。一方、関節リウマチ治療薬「ヒュミラ」はバイオ後続品との競合で31%減の6億8300万ドルに落ち込んでいます。
神経精神疾患の治療薬は売上高が19%増の33億8900万ドルで、抗精神病薬「ブレイラー」が14%増の10億6800万ドル、「ボトックス(治療用)」が10%増の10億800万ドルです。がん治療薬は1%増の16億9600万ドルとほぼ横ばい。美容医療分野は1%減の11億7600万ドルと小幅に縮小しています。
ロバート・マイケル最高経営責任者(CEO)は、「多角化されたポートフォリオ全体での着実な実行力により、優れた業績を達成し続けている」と述べました。また、主要な承認の取得や臨床データの創出、アポジー・セラピューティクスの買収完了によって長期的な成長基盤を強化したとの見方を示しています。
ガイダンス:2026年12月通期予想を上方修正
ガイダンスでは2026年12月通期の調整後EPS予想について、従来の見通しである13.76ドル-13.96ドルから13.95ドル-13.99ドルに上方修正しました。
マリオット・インターナショナル[MAR]、宿泊需要堅調 客室単価が上昇
2026年7-9月期決算:売上高が前年同期比8%増
米ホテル大手のマリオット・インターナショナル[MAR]が発表した2026年7-9月期決算は売上高が前年同期比8%増の70億500万ドル、純利益が9%増の7億9400万ドルでした。調整後EPS(1株当たり利益)は3.02ドルとなり、LSEGがまとめた市場予想の2.843ドルを6.2%上回っています。
好決算の主因は、世界的な宿泊需要の堅調な推移や客室単価の上昇、さらに提携クレジットカード手数料の増額や客室数の増加です。
セグメント別業績:各地で好調に推移
主力のホテル事業では、指標となる全世界のRevPAR(1日当たり販売可能客室数あたり売上高)が6.5%増と着実に伸びました。平均客室単価(ADR)の4.8%上昇と客室稼働率の1.1ポイント改善が寄与しました。地域別では、米国・カナダのRevPARが7.4%増と全体をけん引したほか、海外市場でも中国を除くアジア太平洋地域が9.3%増、欧州が6.4%増と好調に推移しました。
また、売上高の内訳ではフランチャイズ料収入が15%増の10億700万ドル、インセンティブ管理手数料が22%増の1億8100万ドルに拡大し、収益構造の強じんさが示されています。
アンソニー・カプアーノ最高経営責任者(CEO)は、同社のグローバルなスケールと強いブランド力、そして収益エンジンの強みが好業績を支えていると説明しています。新規契約におけるブランド転換(コンバージョン)の割合が3分の1以上を占めるなど開発パイプラインも過去最高を更新しており、ロイヤルティプログラム「Marriott Bonvoy」の会員数は世界で約3億900万人規模に拡大しています。
株主還元についても積極的で、当四半期中に13億ドルを投じて350万株の自社株買いを実施しました。10月28日までの年初来累計では、配当金の支払いと自社株買いを合わせて約40億ドルを株主に還元しています。
2026年通期の業績ガイダンスも上方修正
決算発表に合わせて、2026年通期の業績ガイダンスも上方修正しました。通期の全世界RevPAR成長率予想を従来の3.0%-3.5%増から4.5%-5.0%増へと引き上げ、調整後EPSの見通しも従来の11.64ドル-11.81ドルから12.07ドル-12.14ドルに上方修正しています。あわせて調整後EBITDAの見通しも59億6500万-60億2500万ドルから60億7500万ドル-60億9800万ドルに引き上げ、年度終盤も強固な需要が継続するとの自信を示しています。
アムジェン[AMGN]、主力製品が成長 特許切れ製品は苦戦
2026年7-9月期決算:純利益が20%増
バイオ医薬品のアムジェン[AMGN]が発表した2026年7-9月期決算は売上高が前年同期比8%増の103億6500万ドル、純利益が20%増の38億6400万ドルとなりました。非GAAP(米国会計基準)ベースのEPSは6.45ドルとなり、LSEGがまとめた市場予想の5.793ドルを11.3%上回っています。
業績別推移:主力薬や新薬が好調な一方、特許切れ製品は後発品との競争激化
好業績をけん引したのは主力薬や新薬の力強い成長です。高コレステロール改善薬「レパーサ」の売上高が37%増の10億8500万ドル、骨粗しょう症治療薬「イビニティ」が39%増の7億5100万ドルと好調でした。さらに視神経脊髄炎スペクトラム障害治療薬「ユプリズナ」が191%増の4億5100万ドル、小細胞肺がん治療薬「イムデトラ」が128%増の4億600万ドルと急成長しています。
一方、特許切れに伴うバイオ後発医薬品の台頭で骨粗しょう症治療薬「プラリア」の売上高は45%減の6億3200万ドルと急減するなど、後発品との競争が激化しています。
アムジェンは年間1500億ドル規模へ拡大すると見込まれる肥満症治療薬市場への参入に向け、投与回数を抑えた減量薬候補「マリタイド」の第3相臨床試験を本格化させており、中長期の成長ドライバーとして注目を集めています。
ガイダンス:2026年12月通期予想を上方修正
決算発表時のガイダンスでは、2026年12月通期の売上高見通しを389億-397億ドルに設定し、従来の382億-394億ドルから引き上げています。調整後EPSについても22.90-23.70ドルと想定し、こちらも従来の22.30-23.50ドルから上方修正しました。

