モトリーフール米国本社 – 2026年10月20日 投稿記事より
人工知能(AI)インフラ関連銘柄といえば、2026年はマイクロン・テクノロジー[MU](以下、マイクロン)とサンディスク[SNDK]が大きな注目を集めています。両社とも、世界的なAIデータセンター建設ブームを背景とした、メモリおよびストレージへの旺盛な需要から恩恵を受けています。
マイクロンはメモリチップを製造し、サンディスクはフラッシュストレージに特化している一方、ウエスタン・デジタル[WDC]は、クラウドコンピューティング企業が膨大な量の情報を保存するために使用する大容量ハードディスクドライブ(HDD)を製造しています。
ウエスタン・デジタルが手掛けるのは、AIインフラビジネスの中でも両社とは異なる領域ですが、企業がより高性能なAIシステムを構築するにつれ、徐々にその重要性が高まっている分野です。だからこそ、ウエスタン・デジタルはより詳しく検討する価値のある銘柄だと考えます。同社株は2026年初来で100%超上昇していますが、今後もさらに上昇する余地はあると思われます。
AIに必要なのは高性能プロセッサーだけではない、注目されるHDDの役割
エヌビディア[NVDA]、ブロードコム[AVGO]、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]といった企業は、AIモデルが高速で情報を処理するために不可欠な高性能プロセッサーを製造しているため、AIインフラ関連企業として大きな注目を集めています。
では、それらの情報は処理された後にどうなるのでしょうか?AI企業は、学習用データセット、AIモデルの出力結果、過去の記録、そして自社のシステムが新たに生み出す膨大な情報を保存しておく場所を必要としています。そして、こうした全ての情報を高価で高性能なフラッシュストレージに保存しておくことは、必ずしも現実的ではありません。
ウエスタン・デジタルのHDDが重要なのは、従来型のハードディスクドライブが、ソリッドステートドライブ(SSD)に比べてデータの処理速度では劣るものの、大量の情報を低コストで保存できるためです。
2026年5月に公表されたウエスタン・デジタルの顧客調査では、回答者の87%がストレージ容量の拡大と総保有コストの削減を重視していることが分かりました。また、自社のストレージ構成を把握している回答者のうち70%は、ハードドライブ(HDD)がストレージ容量の半分以上を占めていると答えました。
こうした調査結果は、AIが拡大するなかでHDDが時代遅れになっていない理由を示しています。HDDとSSDは異なる役割を担っているのです。
ウエスタン・デジタル、ストレージの大容量化を推進
ウエスタン・デジタルは、同社のドライブ製品をクラウドコンピューティング企業にとってより魅力的なものにするための新技術も開発しています。
同社は2026年2月、100テラバイト以上の情報を保存できるハードドライブを含む製品ロードマップを発表しました。また、顧客による性能評価の段階にある40テラバイトのドライブも発表しました(1テラバイトは約1,000ギガバイトに相当)。
ストレージ容量の拡大に対する需要は、衰える兆しがみられません。ウエスタン・デジタルの協賛の下、調査会社IDCが2026年9月に実施した調査では、調査対象となった組織の61%でAIの影響によりデータ量が前年比で25%以上増加したことが判明しました。さらに、調査対象組織の3/4近くが今後3年間にわたってデータ量が同程度増加すると見込んでいます。
株価は年初来2倍超、好業績を検証
ウエスタン・デジタル株は2026年初来で105%上昇しています。これはサンディスクやマイクロンほどではないものの、指数全体に比べてはるかに大きな上昇幅です。
ウエスタン・デジタルの第4四半期(7月3日まで)の売上高は前年同期比44%増、前四半期比12%増の37億5,000万ドルでした。利益率は引き続き改善し、米国会計原則(GAAP)ベースの粗利益率は前年同期の41%から54.1%に上昇しました。また、GAAPベースの純利益は31億9,000万ドルとなり、前年同期比1,215%の驚異的な伸びを記録しました。ただし、注意すべき点として、この増益の大部分は、同社が2025年に分離したサンディスクへの持分によるもので、第4四半期はサンディスクからの利益20億5,000万ドルを計上しました。
一方、ウエスタン・デジタルのハードドライブ事業の実態をより正確に表す調整後純利益は13億8,000万ドルと、前年同期比で130%増加しました。
通期の売上高は前年比36%増の129億2,000万ドル、調整後純利益は同120%増の38億8,000万ドルでした。
今、ウエスタン・デジタルに注目する理由
筆者がAIインフラ関連株を選好する理由は、最終的にどのAIプラットフォームが市場を支配するかを予測しなくても、業界全体の成長に投資できるからです。
企業は、新たなAIモデルを学習させる場合でも、クラウドコンピューティングプラットフォームを運営する場合でも、顧客向けにAIアプリケーションを導入する場合でも、保存が必要な情報を生成しています。そして、ウエスタン・デジタルは、そうした需要の大部分に比較的低コストで対応できる大容量ドライブを製造しています。
AI向けのデータストレージ需要が近い将来に消失するとは考えられません。マイクロンとサンディスクは、投資家にとってメモリおよびストレージ市場がいかに魅力的かを証明しています。ウエスタン・デジタルの製品は両社の製品ほど注目されていないものの、同社もまた、同じインフラ拡大の波に乗っています。
AIインフラの成長の恩恵を受ける新たな投資先を探している投資家にとって、ウエスタン・デジタルは魅力的な選択肢の1つだと考えます。
免責事項と開示事項 記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Patrick Sandersは、エヌビディアの株式を保有しています。モトリーフール米国本社は、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ、ブロードコム、マイクロン・テクノロジー、エヌビディア、ウエスタン・デジタルの株式を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は情報開示ポリシーを定めています。

