ジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]、医薬品部門が8%増収と堅調
2026年7-9月期決算:売上高が前年同期比6%増
米ヘルスケア大手のジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]が発表した2026年7-9月期決算は売上高が前年同期比6%増の253億9900万ドルとなり、LSEG(ロンドン証券取引所グループ)がまとめた市場予想(252億8000万ドル)を上回りました。純利益は訴訟関連費用などの計上で96%減の2億1000万ドルに落ち込みましたが、調整後EPSは2.59ドルで、LSEGがまとめた市場予想の2.54ドルを2.0%上回っています。
セグメント業績:抗がん剤、多発性骨髄腫の治療薬が増収
事業別では医薬品部門の売上高が8%増の167億5700万ドルに伸びています。分野別ではがん治療薬が16%増の76億200万ドルで、主力の抗がん剤「ダラザレックス」が15%増の42億3900万ドルとなったほか、多発性骨髄腫の治療薬「カービクティ」が35%増の7億1000万ドルに達しました。
免疫疾患の治療薬は1%増の42億2100万ドルとほぼ横ばいでした。乾癬治療薬「トレムフィア」が68%増の23億9600万ドルに急拡大しましたが、特許切れに伴いバイオシミラー(後続品)との競合にさらされた「ステラーラ」が54%減の7億1600万ドルに落ち込んでいます。
一方、医療機器部門の売上高は3%増の86億4200万ドルです。中東情勢に伴う防衛費への予算振り分けや、欧州の緊縮財政、中国での価格抑制圧力などが重荷となり、国際事業の売上高は横ばいにとどまっています。
治療分野別では心血管疾患が4%増の23億700万ドル、医療外科が1%減の25億2800万ドル、整形外科が3%増の23億4500万ドル、眼科が4%増の14億6100万ドルとなっています。
ホアキン・デュアト最高経営責任者(CEO)は、重点を置くポートフォリオの強化で成長の勢いが加速していると自信を示しています。また、事業最適化に向け整形外科部門の2027年半ばのスピンオフ(分離上場)に向けた動きも継続中です。
ガイダンス:小幅に上方修正
決算発表時のガイダンスでは2026年12月通期の売上高を1010億-1014億ドル(前年比7.2-7.6%増)、非GAAPベースの調整後EPSを11.05-11.15ドル(2.4-3.2%増)と予想しています。2026年7月の決算発表時のガイダンスでは、2026年12月通期の売上高を1008億-1014億ドル、非GAAPベースの調整後EPSを10.96-11.11ドルと予想しており、それぞれ小幅に上方修正しています。
ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]、医療費管理の徹底で成果
2026年7-9月期決算:医療品質を保ちながらコスト抑制を実現
医療保険大手のユナイテッドヘルス・グループ[UNH]が発表した2026年7-9月期決算は、売上高が前年同期比0.4%減の1126億9400万ドル、純利益が75%増の41億1000万ドルとなりました。調整後EPS(1株当たり利益)は4.69ドルで、LSEGがまとめた市場予想の4.1395ドルを13.3%上回っています。
徹底した医療費の管理と成果報酬型医療「バリューベースケア」の推進が好業績につながりました。収益性の指標である医療費率(収入に対する医療費の割合)は、前年同期の89.9%から88.4%に改善しました。保険料率の適正化や給付設計の見直しに加え、人工知能(AI)ツールの活用や低コストな在宅医療への誘導が功を奏しています。
7-9月期には入院患者数が前年同期比で15%減少した一方、在宅医療の受け入れは10%増えており、医療品質を保ちながらコスト抑制を実現しました。また、営業費用率も前年同期の13.5%から12.8%に低下するなど業務の効率化が進んでいます。
セグメント業績:主力の両事業が揃ってけん引
部門別では、医療保険事業の「ユナイテッドヘルスケア」の売上高が1%減の863億3000万ドルにとどまりましたが、営業利益は57%増の28億3100万ドルに急拡大しました。ヘルスケアサービス部門の「オプタム」も好調で、営業利益が49%増の37億3200万ドルと伸び、主力の両事業が揃って業績をけん引しました。
ガイダンス:2026年通期決算の予想を上方修正
決算発表時のガイダンスでは2026年通期決算の予想を上方修正しました。調整後EPSの見通しを従来の19.50ドル-20.00ドルから「少なくとも20.50ドル」へと引き上げています。高水準な医療費の圧力に対処しつつ、バリューベースケアの拡大と効率化により収益性を引き上げる方針です。
ウェルズ・ファーゴ[WFC]、貸出残高拡大で純金利収入が増加
2026年7-9月期決算:純利益が7%増
ウェルズ・ファーゴ[WFC]が発表した2026年7-9月期決算は売上高に相当する純営業収益が前年同期比2%増の218億7000万ドル、純利益が7%増の57億300万ドルとなりました。EPS(1株当たり利益)は1.87ドルで、LSEGがまとめた市場予想の1.854ドルを0.9%上回っています。
安定した決算の主因は貸出残高の拡大と金利環境を背景とした純金利収入の堅調な増加です。純金利収入は貸出残高の増加や資産運用環境の改善が寄与し、5%増の125億1700万ドルに拡大しました。
一方、非金利収入は投資顧問手数料や投資銀行手数料が増加したものの、トレーディング収益の減少やベンチャーキャピタル投資の減収などが響き、1%減の93億5300万ドルにとどまりました。非金利費用は人員削減などの効率化が奏功し、1%減の137億4300万ドルに抑えられています。
セグメント業績:消費者向け銀行部門が堅調
事業別では消費者向け銀行部門が堅調で、純営業収益が5%増の106億5600万ドル、純利益が21%増の27億5500万ドルに達しました。資産運用・ウェルスマネジメント部門は純営業収益が12%増の41億400万ドル、純利益が19%増の6億300万ドルと増収増益です。
投資銀行部門は純営業収益が3%増の50億800万ドル、純利益が2%減の19億2400万ドルです。M&Aアドバイザリー手数料が30%増、株式市場・投資適格債券の引き受け手数料が33%増と好調に推移しました。
チャーリー・シャーフ最高経営責任者(CEO)は、金利高やインフレなどのリスクに触れつつも、「消費者の支出や預金残高が増加しており、顧客の財務状態は健全」と指摘しています。また、人工知能(AI)インフラへの投資や雇用が高水準で継続していることがマクロ経済のリスクを和らげる強力な追い風になっているとの見解を示しました。
ゴールドマン・サックス[GS]、手数料ビジネスが好調
2026年7-9月期決算:純利益が33%増
ゴールドマン・サックス[GS]が発表した2026年7-9月期決算は売上高に相当する純営業収益が前年同期比23%増の186億7900万ドル、純利益が33%増の51億2200万ドルとなりました。EPS(1株当たり利益)は17.01ドルで、LSEGがまとめた市場予想の13.025ドルを30.6%上回っています。
金利環境の影響で純金利収入は2%減の37億7000万ドルにとどまったものの、トレーディングやディールメイキングを中心とする手数料ビジネスの力強い成長が業績を押し上げました。
セグメント業績:株式関連収入が72%増と急拡大
特にグローバル・バンキング&マーケット部門は純営業収益が32%増の134億5800万ドルと大幅に伸びました。デリバティブ取引やプライム・ファイナンシングの活況が寄与し、株式関連収入が72%増の64億4100万ドルに急拡大しています。また、M&A助言や株式引き受けの増加で、投資銀行手数料収入は21%増の32億2400万ドルを記録しました。さらに、アセット&ウェルス・マネジメント部門も運用資産残高の拡大に伴う管理報酬の増加で、純営業収益が14%増の50億5100万ドルに達しています。
デービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)は、今期の市場環境について「複雑な経営環境」と説明した半面、主要事業での堅実な成果を強調しました。また、一部で報じられた退任・後継者計画を巡る観測に対しては、「後継に向けた移行計画やタイムラインは存在しない」と否定しています。
ペプシコ[PEP]、海外事業が力強く成長
2026年7-9月期決算:純利益が17%増
米食品・飲料大手のペプシコ[PEP]が発表した2026年7-9月期決算は売上高が前年同期比6%増の252億7400万ドル、純利益が17%増の30億4800万ドルとなりました。非GAAP(米国会計基準)ベースの調整後コアEPSは2.34ドルとなり、LSEGがまとめた市場予想の2.29ドルを2.2%上回りました。売上高も市場予想の249億5700万ドルを超えて着地しています。業績が市場予想を超えた主因は北米市場の伸び悩みをカバーした海外ビジネスの力強い成長です。
セグメント業績:北米市場のパフォーマンス改善が課題
地域別の業績では北米事業がまちまちでした。北米飲料部門は売上高が5%増の77億600万ドル、営業利益が45%増の10億5600万ドルと好調でしたが、北米食品部門は売上高が0.3%減の65億400万ドル、営業利益が13%減の13億3300万ドルと沈んでいます。価格調整や販促強化を進めているものの、北米需要の低迷が続いているようです。
一方、海外事業は総じて好調です。米国外の現地のボトラーと提携する国際飲料フランチャイズ部門は売上高が9%増の14億100万ドル、営業利益が29%増の5億5200万ドル。欧州・中東・アフリカ部門(傘下のボトラーの事業を含む)は売上高が8%増の54億1300万ドル、営業利益が25%増の8億9700万ドルでした。中南米食品部門とアジア太平洋食品部門はそれぞれ2桁の増収増益と大きく伸びています。
ラモン・ラグアルタ最高経営責任者(CEO)は、海外事業の強みを評価する半面、北米市場のパフォーマンス改善が最優先課題であると強調しました。商品開発やブランド構築への投資原資を確保するため、構造的なコスト削減と業務の重複排除を今後数ヶ月で推進する方針を示しています。
株主還元については計画通りに進める方針です。2026年通期で総額89億ドル(配当79億ドル、自社株買い10億ドル)を見込んでいます。
ガイダンス:売上高成長率の見通しは引き上げ、調整後コアEPS成長率は下方修正
決算発表に合わせて、2026年12月期のガイダンスも更新しました。売上高成長率は従来の4-6%増から約6%増へと見通しを引き上げた一方、北米の苦戦に伴う利益への影響を考慮し、調整後コアEPS成長率は従来の5-7%増(レンジの下限寄りを予想)から「2.5-3.5%増」へと下方修正しています。

